リパブリック RC-3 シービー

リパブリック RC-3 シービー

リパブリック RC-3 シービーは、第二次世界大戦後にアメリカ合衆国のリパブリック・アビエーションによって製造された民間向けの小型スポーツ水上機です。本機は水陸両用機としての特性を持ち、特にアメリカのパイロットたちに人気を博しました。また、アメリカ陸軍航空軍の観測機としてOA-15という制式番号も与えられましたが、導入契約は最終的にキャンセルされ、軍での実運用は行われませんでした。

開発の経緯

RC-3 シービーの設計者は、アメリカ人航空機技術者であるパーシヴァル・スペンサーです。彼の航空機技術への関心は14歳の時、ハンググライダーを作成したことに始まり、その後もカーチス製の飛行艇での飛行体験や軽飛行機の高度記録を達成するなど、彼のキャリアは積み重ねられました。1937年には、技術者ヴィンセント・ラーセンと協力し、SL-12という機体の開発に着手しましたが、開発は難航しました。最終的にスペンサーは自らの会社を立ち上げ、小型飛行艇S-12エア・カーの設計を開始しました。

S-12の初飛行は1941年に成功しましたが、第二次世界大戦の影響により、スペンサーはリパブリック・アビエーションに移籍し、戦闘機のテスト飛行などを行いました。1943年には、S-12をさらに発展させる形で、リパブリック社に製造ライセンスを購入され、全金属製のRC-1サンダーボルトに改良されます。継続して製品展開が進み、最終的にRC-3 シービーとして展開が進められました。

市場での展開

RC-3は、アメリカ国内だけでなく、世界中のユーザーに引き継がれていきました。初飛行から数年後、約1,060機が製造されており、アメリカやカナダを中心に多くのシービーが飛行しています。特に1947年には、一機がイスラエルに輸出され、イスラエル空軍で使用された例があり、この機体は現在も博物館で展示されています。2006年時点では、約250機が現役登録されており、余剰部品を使っての再生も進んでいます。

派生型と発展型

RC-3シービーは後にエンジンを双発化したUC-1ツイン・ビーや、発展型のTR-1トライガルに改造されました。また、パーシヴァル・スペンサーはS-12の後継機シリーズを開発し続け、その成果は1980年代まで続きました。

基本仕様

• - 乗員: 4名
• - 全長: 8.5 m
• - 全幅: 11.5 m
• - 全高: 3.1 m
• - 翼面積: 18.2 m²
• - 空虚重量: 993 kg
• - 全備重量: 1,429 kg
• - エンジン: フランクリン O-335, 215 hp
• - 最大速度: 238 km/h
• - 航続距離: 850 km

リパブリック RC-3 シービーはその独自のデザインと機能性から、多くの愛好者に支持され続けており、歴史的な航空機としての価値を持ち続けています。

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