リベルタ橋

リベルタ橋

リベルタ橋（伊:Ponte della Libertà）は、イタリアの歴史ある都市ヴェネツィアとその本土であるメストレ地区を結ぶ、重要な交通路のひとつです。この橋は総延長3850メートルで、鉄道橋と道路橋の二重構造を持ち、交通の要所としての役割を果たしています。一般には自由橋という名でも知られ、多くの観光客や地元住民に利用されています。

歴史的背景

リベルタ橋の建設に関する構想は、さかのぼること1823年にルイージ・カサリーニによって提案されましたが、実際に計画が進んだのは1835年のことです。この年、ロンバルド＝ヴェネト王国の主要都市であるミラノとヴェネツィアを結ぶ鉄道路線の建設が提案され、計画は急速に前進しました。この際、長大な鉄道橋をラグーンに架ける案が具体化し始めたのです。

1836年にはトンマーゾ・メドゥナが橋の設計を開始し、1840年にはオーストリア皇帝フェルディナント1世の承認を得て計画が進行します。1841年、ヴェネツィア総主教や副王の臨席のもと、サンタ・ルチーア駅と橋本体の建設工事が開始されました。この作業は1845年まで続き、1846年1月11日に完成式典が行われました。駐留する75000本の松杭と222のアーチによって支えられたこの橋は、ウィーンからヴェネツィアへの重要な鉄道輸送を実現しました。

1970年には、橋の複線から複々線に拡幅する工事が行われ、新しい橋が隣接して架けられました。これにより、鉄道の交通能力は大幅に向上しました。

道路橋の開通

1931年、道路橋の建設工事がエウジェニオ・ミオッツィの設計によって開始されました。工事はわずか18か月という短期間で完了し、1933年4月25日には正式に開通しました。この日程は偶然にも、ヴェネツィアの守護聖人である聖マルコの祝日と重なりました。開通式典には当時の王太子ウンベルトとその妃マリアが出席しました。

この道路橋は、当初「リットリオ橋（Ponte Littorio）」という名称が付けられました。この名前は国家ファシスト党との深い関係がありましたが、1946年4月25日、イタリアがファシスト政権から解放されたのを記念して現在の「リベルタ橋」に改名されました。

道路橋は片側2車線（一部区間では3車線）を持ち、すべての利用者が快適に通行できるようになっています。現在は自転車や歩行者にも利用可能な専用の通路が設けられていますが、東側の鉄道橋側への立ち入りは禁止されています。

交通機関との連携

近年では、2015年にメストレからヴェネツィア本島へのトラムが新たに開業し、多くの通勤客や観光客がリベルタ橋を利用するようになりました。この橋は、交通インフラの整備とともにヴェネツィアの繁栄にも寄与している重要な存在です。リベルタ橋は、歴史的な背景を持つだけでなく、現代の交通の利便性にも貢献し続けています。

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