リボッラ・ジャッラ

リボッラ・ジャッラ：フリウリ原産の白ブドウ品種

リボッラ・ジャッラ（Ribolla Gialla）は、イタリア北東部のフリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州で主に栽培されている白ワイン用のブドウ品種です。スロベニアやクロアチアでも栽培されており、それぞれルメーナ・レブーラ、ヤールボラと呼ばれています。フリウリ地方のロザッツォやゴリツィア周辺、スロベニアのブルダ市が主要な栽培地域です。

紛らわしいことに、フリウリの赤ワイン用品種スキオペッティーノはリボッラ・ネーラとも呼ばれますが、リボッラ・ジャッラとは関係がありません。また、リボッラ・ヴェルデという品質の劣る突然変異種も存在しますが、一般的ではありません。

歴史

かつては古代ギリシャのロボラというブドウが起源であるという説がありましたが、2007年と2008年のDNA鑑定により、遺伝的な関係がないことが判明しました。現在では、フリウリのコッリオまたはゴリシュカ・ブルダ地方が原産地であると考えられています。

リボッラ・ジャッラに関する最初の記録は1289年、フリウリ地方のブドウ畑用地に関する公証人の契約書に登場します。14世紀には、イタリアの詩人ジョヴァンニ・ボッカッチョが、リボッラのワインを深酒することを罪として非難しています。14世紀には、オーストリア公レオポルト3世がトリエステを領有した際、その地域で最も出来の良いリボッラのワインを毎年100甕分差し出すように協定に盛り込みました。1402年には、その評判の高さから、ウーディネ市があらゆるリボッラのワインへの混ぜ物を禁じる法律を制定するほどでした。18世紀には、地元の医師アントニオ・ムズニッグが、リボッラをフリウリで最高の白ワインと評しています。

19世紀のフィロキセラ禍によってリボッラの栽培は大きな打撃を受け、多くの栽培家がメルローやソーヴィニヨン・ブランなどの外来品種に転換しました。1990年代には、原産地呼称ワインに占めるリボッラの割合は1%未満にまで落ち込みました。しかし、21世紀に入り、フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州のワインへの国際的な関心の高まりとともに、リボッラの植栽面積は再び増加しています。現在では、コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリやコッリオ・ゴリツィアーノなどのD.O.C.認定ワインにおいて重要な役割を担っています。

栽培とワイン

リボッラ・ジャッラの果房は小さく円筒形で、果粒は密集しています。果皮は淡い黄色で、斑点があります。非常に多くの実をつけるため、品質の高いワインを造るには、収量を厳しく制限する必要があります。制限しない場合、水っぽく酸味の強いワインになりがちです。

通常、リボッラ・ジャッラから造られる白ワインは、花の香りを持ち、酸味の際立ったライトボディの辛口ワインです。オーク樽で熟成させることで、よりニューワールドワインのような特徴を出すことも可能です。コッリオ・ゴリツィアーノやゴリツィア丘陵、ヴィパーヴァ盆地などでは、果皮と共に発酵させることで、近年人気のオレンジワインとして知られる、より複雑な風味を持つワインを造る生産者もいます。これらのワインは熟成とともにナッツのような風味を帯びることがあります。フリウリ地方では、中央部よりも南部で生産されるワインの方が、ややボディが重くなる傾向があります。

別名

リボッラ・ジャッラは、長年にわたり様々な別名で呼ばれてきました。

アーヴォラ (Avola)
エールブラ (Erbula)
ガルガーニャ (Gargania, Garganja)
グレーラ (Glera)
ゴリツカ・リボラ (Goricka Ribola)
ヤールボラ (Jarbola)
イェルブラ (Jerbula)
ピニョーロ (Pignolo)
ラビオラ (Rabiola)
ラボーラ (Rabola)
ラボッラ (Rabolla)
ラボッラ・ジャッラ・ディ・ロザツィオ (Rabolla Dzhalla di Rozatsio)
ラブエレ (Rabuele)
ライボラ (Raibola)
レボッラ (Rebolla)
ルブラ・ジョーヌ (Reboula jaune)
レーブラ (Rébula)
レブーラ・ベラ (Rebula Bela)
レブーラ・ルメーナ (Rebula rumena)
レブーラ・ズュータ (Rebula zuta)
レフォスコ・ビアンコ (Refosco bianco)
リボラ (Ribola)
リボラ・ビイェラ (Ribola Bijela)
リボラ・ジャラ (Ribola Djiala)
リボッラ (Ribolla)
リボッラ・ビアンカ (Ribolla Bianca)
リボッラ・ジャッラ (Ribolla Dzhalla)
リボッラ・ジャッラ・ディ・ロザッツ (Ribolla Gialla di Rosazz)
リボッラ・ジャッラ・ディ・ロザッツォ (Ribolla Gialla di Rosazzo)
リブエラ (Ribuela)
リブエレ (Ribuele)
リブエレ・ジャレ (Ribuele Zale)
リブラ・ズュータ (Ribula Zuta)
リブオレ (Ribuole)
ロボッラ (Robolla)
ロザッツォ (Rosazzo)
ルメーナ・レブーラ (Rumena Rebula)
テラン・ビイェリ (Teran Bijeli)
* ゼレナ・レブーラ (Zelena Rebula)

これらの別名からも、このブドウ品種が長年にわたり、様々な地域で栽培されてきたことがわかります。

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