リム (実包)

リムとは

リムは、弾薬の薬莢底部に存在する突出部分であり、弾薬の動作において重要な役割を果たしています。リムにはさまざまなタイプがあり、それぞれ独自の特性を持っています。この記事では、リムの機能、種類、及び各種弾薬への応用について詳しく説明します。

リムの目的

リムの主な目的は、エキストラクターと呼ばれる部品と相互作用し、薬莢を正確に引き抜くための接点を提供することです。また、薬莢の製造過程では、切削、鋳造、模様抜き、プレス、圧延などの工程を通じて形作られます。リムの設計は、弾薬の動作安定性や互換性にも影響を及ぼします。

リムの種類

現代の弾薬には、いくつかのリムの種類が存在します。主なものは、リムド、リムレス、セミリムド、リベイテッド、そしてベルテッドの五種類です。それぞれのリムは、薬莢の基部との関係に基づいて分類されます。

リムド

リムド弾薬は、リムの直径が薬莢の基部よりも大きい形式です。リムドカートリッジは、薬室内でカートリッジをしっかりと保持し、発射の際の安定性を提供します。この形式は特にリボルバーや中折れ式の銃器に適しています。しかし、ボックスマガジンからの給弾時には、不安定さが問題となることがあります。リムド薬莢には、.38スペシャルや.357マグナムなどの有名な種類が含まれています。

リムレス

リムレス薬莢は、薬莢の基部と同じ直径のリムを持ち、その特徴は主にエキストラクターグルーブとして機能します。リムが薬莢から突き出ていないため、ボックスマガジンからの給弾が非常にスムーズです。しかし、リムレス弾薬はリボルバーや中折れ式の銃に向いていないため、特別な改造が必要です。9mmパラベラムや.45 ACPなどがリムレス弾薬の代表例です。

セミリムド

セミリムド薬莢は、リムが薬莢の基部から少し突出しているため、リムドとリムレスの特性を併せ持っています。この形状は、ヘッドスペースを確保しつつ、ボックスマガジンからの給弾の妨げにならないため、バランスの取れた設計です。セミリムドの例としては、.32 ACPや.308マーリンエクスプレスがあります。

リベイテッド

リベイテッドリムは、リムが薬莢の基部よりも小さい形式で、主に引き出すための役割を果たします。この設計は、他の弾薬との互換性を持つ重要な利点も提供します。リベイテッドリムの弾薬として知られるのは、.50アクションエクスプレスなどがあります。

ベルテッド

ベルテッド薬莢は、「ベルト」という部分がヘッドスペースを確保するための役割を果たします。リムレス薬莢と似ていますが、ベルテッド形式は古い英国のカートリッジに由来し、特に高圧のマグナムカートリッジと互換性を持たせるために設計されています。代表的な使用例には、.375 Holland & Holland Magnumがあります。

おわりに

リムにはさまざまな種類と設計があり、それぞれ異なった使用目的や性能を持つため、弾薬の特性を理解するうえで重要な要素です。これらのリムに関する知識は、弾薬選びや射撃のパフォーマンス向上に役立つでしょう。

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