リモート

『リモート』の紹介

概要

『リモート』（REMOTE）は、天樹征丸による原作にこしばてつやの作画が加わった、日本の青年漫画です。この作品は、2002年9号から2004年28号まで、講談社の『週刊ヤングマガジン』にて連載され、最終的には全10巻が刊行されました。また、連載に併せてテレビドラマ化もされ、日本テレビ系列の『土曜ドラマ』枠で2002年10月から12月にかけて放送されました。

ストーリー

物語は、警視庁捜査一課に属する特殊な部署「A級未決事件捜査特別室」、通称A別館を舞台に展開されます。この部門は、恋人を殺した殺人鬼スネイルによって心身に傷を負った東大出身の天才刑事、氷室光三郎が引きこもる自宅の地下に設けられた特異な場所です。

氷室は、身体的には外に出ることなく、同部署に配属された交通課の女性警官、彩木くるみに指示を出し、リモートで事件を解決していきます。くるみは、氷室からの指示に従って様々な困難に立ち向かい、同時に氷室の過去やスネイルとの関連が絡んだ真実を知ることになります。この二人の関係は、次第に深まり、くるみは氷室に対する感情を抱くようになり、最終的には婚約者との関係を見直すことになります。

登場人物

彩木 くるみ（あやき くるみ）

彩木は交通課に所属する婦警で、175cmの身長を誇ります。結婚を間近に控え、退職を予定していましたが、A別館にやってきたことで運命が変わります。氷室の指示に従って事件を解決しつつ、彼の過去を知ることで彼に対する感情が芽生えます。

氷室 光三郎（ひむろ こうざぶろう）

天才刑事である氷室は、恋人をスネイルに殺されたことから引きこもりの生活を選びました。A別館でくるみに指示を出しながら、その背景にある事件を解決へ導く存在です。

上島 伸吾（うえしま しんご）

くるみの婚約者として描かれるキャラクターであり、物語の中で型破りな展開を迎えます。

ボブ・加藤（ボブ・かとう）

日系二世で巨体を持つボブは、氷室の友人であり、事件解決をサポートする存在となります。

テレビドラマ版

テレビドラマは、2002年10月の放送開始から12月まで全10話が放送されました。主演は深田恭子が演じた彩木くるみで、作品は多くのファンに支持されました。特に、脚本には原作の著者である天樹征丸が関わり、オリジナルの魅力を保ちながら俳優陣が感情豊かに表現されました。

漫画版とテレビドラマ版の違い

本作の漫画版とテレビドラマ版の大きな相違点の一つは、A別館の設定です。漫画では欧風の洋館で描かれていますが、ドラマでは日本風のデザインが採用されました。また、彩木くるみの異動の経緯にも違いがあり、漫画では彼女自身の意志で志願したとされているのに対し、ドラマでは通常の捜査班から無能な警官とみなされて派遣される形になっています。

このようなストーリーやキャラクターたちの感情を丁寧に描いた『リモート』は、魅力的な青年漫画として多くの読者に親しまれてきました。

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