リモートエンジンスターター

リモートエンジンスターター：快適性と安全性の両立

リモートエンジンスターターは、キーレスエントリーのようにリモコンで車のエンジンを遠隔操作できる便利な装置です。数百メートルから1キロメートル程度の距離からでも操作が可能で、近年ではエンジン始動の確認ができるアンサーバック機能を搭載した機種も増えています。

購入方法と種類

リモートエンジンスターターは、自動車メーカー純正のオプションとして装着できる場合と、ホームセンターやカー用品店などで汎用品を購入して自分で取り付けできる場合があります。汎用品は1～2万円程度で販売されていますが、車種専用のハーネスも別途購入し、車のイグニションシステムに接続する必要があります。

かつてはイモビライザー搭載車への装着は困難でしたが、現在ではイモビライザーに対応したエンジンスターターも開発されており、多くの日本車に装着可能です。

メリット：快適な車内環境を実現

リモートエンジンスターターの最大のメリットは、離れた場所からエンジンを始動できる点です。例えば、夏の暑い日や冬の寒い日、駐車場から車まで歩く間にエンジンを始動し、エアコンやヒーターを稼働させることで、快適な車内環境を事前に準備できます。

安全性に関する懸念と対策

一方で、リモートエンジンスターターの使用には安全面での注意が必要です。

初期のエンジンスターターは、AT車（オートマチックトランスミッション車）のみに装着可能でした。これは、MT車（マニュアルトランスミッション車）の場合、ギアがニュートラル以外の状態（例えば、ギアが入っている状態）でエンジンが作動すると、暴走事故につながる危険性があったためです。現在ではMT車にも装着できる機種もありますが、ギアがニュートラル以外の状態や、エアコンが作動したままエンジンを始動させることは非常に危険であり、事故につながる可能性があるため推奨されません。

また、無人状態でエンジンが作動することにより、車両盗難や、子供が車に乗り込んで誤って操作してしまうリスクも懸念されます。特に、公道上での無人でのエンジン始動は非常に危険であり、厳重に注意する必要があります。さらに、むやみなアイドリングは、都道府県の条例に違反する場合もあるため注意が必要です。そもそも、日本の道路交通法では、運転者がエンジンをかけたまま車両を離れることを想定していません。

これらのリスクを軽減するため、多くのメーカー純正品では、エンジンスターターでエンジンを始動した後にドアを開けると、自動的にエンジンが停止するセーフティ機構が搭載されています。また、近年では、AT車のセレクトレバーの位置検出、ドアロック状態の検出など、安全性を高めるための様々な対策が施された機種が増えています。

まとめ：快適性と安全性のバランス

リモートエンジンスターターは、快適な車内環境を実現する便利な装置ですが、安全な使用方法を理解し、リスクを十分に認識した上で使用する必要があります。メーカー純正品を選択したり、安全機能が充実した機種を選ぶなど、安全対策を重視することが大切です。また、使用にあたっては、各地域の条例や道路交通法を遵守する必要があります。快適性と安全性のバランスを考慮し、適切な使用方法を心がけましょう。

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