リャンコ大王

リャンコ大王：竹島に君臨した巨大ニホンアシカ

リャンコ大王は、かつて竹島（別名リャンコ島、女島（東島）と男島（西島）という2つの小島と岩礁で構成）に生息していた、一頭の雄のニホンアシカです。

概要

当時、竹島ではアシカ猟が盛んに行われていましたが、リャンコ大王は鉄砲を恐れることなく、アシカ猟の網を破り、漁師たちを震え上がらせていました。その圧倒的な存在感から、まさに「リャンコ大王」として君臨していたのです。

「リャンコ」という名前は、嘉永2年（1849年）にフランスの捕鯨船リァンクール号が竹島を「リァンクール島」と命名したことに由来します。つまり、「リャンクール島（=竹島）の大王」という意味が込められているのです。

しかし、1931年（昭和6年）7月下旬、リャンコ大王は中渡瀬仁助によって射殺され、剥製にされてしまいました。弾丸は耳の付近を貫通しており、その傷跡は現在でも残っています。剥製は大阪市立天王寺動物園で所蔵・保存されていましたが、1990年代初頭まで、動物園はそれがニホンアシカであることに気づいていませんでした。現在は、島根県立三瓶自然館で展示されています。リャンコ大王の剥製は、現存するニホンアシカの剥製としては最大級のものです。

リャンコ大王の大きさ

体長：2.88メートル
胴回り：3.1メートル
体重：推定750キログラム超

昭和の竹島のアシカ猟

橋岡忠重の「口述書」によると、当時のアシカ猟はサーカスの需要に応えるために行われていました。アシカが生息する洞窟に網を張り、追い込むことで捕獲するという方法がとられていましたが、乱獲の影響で、50日間かけても30頭しか捕獲できないという状況だったようです。

リャンコ大王は、乱獲によって数を減らしたニホンアシカの歴史を物語る、貴重な存在です。その剥製は、私たちに自然保護の重要性を訴えかけています。

参考文献

島根県ホームページ 杉原通信「郷土の歴史から学ぶ竹島問題」第20回　竹島漁猟合資会社について - [ウェイバックマシン]] ([https://web.archive.org/web/20131029204457/http://www.pref.shimane.lg.jp/takeshima/takeshima_mondai/column/sugihara20.html)

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