リュボーフィ・ヴォロンコーワ

リュボーフィ・フィヨドローヴナ・ヴォロンコーワ（1906年9月30日 - 1976年1月20日）は、ソ連の児童文学作家として知られています。彼女の作品は、子供たちの視点から見た世界を、温かく、そして時に力強く描き出しています。

ヴォロンコーワはモスクワで、貧しい農民の家庭に生まれました。一家は出稼ぎのためにモスクワに滞在しており、彼女自身も幼い頃から苦労を重ねました。1917年の十月革命後、一家は田舎に戻り、ヴォロンコーワはそこで初めて学校に通う機会を得ます。向学心に燃えた彼女は、1926年に再びモスクワへ出て、働きながら大学進学を目指しました。

1929年、ヴォロンコーワはジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせます。ジャーナリストとして働く傍ら、文学への情熱を追求し、1931年に処女作「黒スグリ」を発表しました。彼女の作風が確立されたのは、農村の子供たちの生活を描いた短編集「シュールカ」（1940年）でした。この作品集は、彼女を児童文学作家として広く認知させるきっかけとなりました。

ヴォロンコーワの代表作として知られる『町からきた少女』（1943年）は、戦争で家族を失った少女が、農村の一家に引き取られ、新たな生活を始める物語です。この作品は、少女の心の葛藤や成長、そして周囲の人々の温かい愛情を描き出し、多くの読者の心を捉えました。日本でも翻訳され、長年にわたって愛され続けています。

ヴォロンコーワは、『町からきた少女』以外にも、「ゴロジシチェ村」（1947年）、「アルタイ物語」（1951年）、「フェージャかえっておいで」（1958年）、「まほうの島のともだち」(1964年)、「個人の幸福」（1961年）、「野の白鳥アニスカ」（1966年）など、数多くの作品を発表しました。これらの作品もまた、子供たちの生活や感情を丁寧に描き出し、読者に深い感動を与えています。

彼女の作品は、子供たちの成長、友情、家族の絆、そして困難に立ち向かう勇気をテーマとしています。ヴォロンコーワの作品は、時代を超えて、子供たちの心に響き続ける普遍的な価値を持っていると言えるでしょう。

日本語翻訳書
町からきた少女
友情の小枝
村の少女
アルタイ物語
フェージャかえっておいで
まほうの島のともだち
野の白鳥アニスカ
ちらかしちゃん

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