リューリカ＝サトゥールン AL-31

AL-31ターボファンエンジン

AL-31（ロシア語: АЛ-31）は、ソビエト連邦の企業、リューリカ（現在のサトゥールン科学製造合同）によって設計された軍用ターボファンエンジンです。このエンジンは主にスホーイSu-27フランカーに搭載するために開発され、注目すべき性能を誇ります。

概要

AL-31は、大きな推力を発生させる能力を持ち、アフターバーナー使用時には異なる型式で様々な推力を提供します。例えば、AL-31F型は123kN（約27,600 lb）、AL-31FM型は137kN（約30,800 lb）、さらにAL-37FU型は142kN（約32,000 lb）の推力を発揮します。このエンジンは単にフランカーシリーズにとどまらず、中国製のJ-10戦闘機にも使用されています。

AL-31Fはそのデザインにおいてモジュール構造を取り入れており、14のモジュールから成ります。この構造は整備の効率を高め、故障時の対応が容易となります。派生型には推力偏向型のAL-31FPやAL-37FUがあり、これらはピッチ方向で最大±15°の角度でノズルを傾けることが可能です。この機能により、飛行性能の向上が図られます。

型式の詳細

AL-31の各型式は、特定の要件に合わせて開発されています。以下は主な型式の一覧です。

AL-31F

基本型で、アフターバーナー使用時には123kNの推力を出力します。その後の改良により、エンジン寿命は当初の100時間から最終的に1,000時間に延びました。1981年から生産が始まり、多くの派生型の基礎となりました。

AL-31FM

Su-35向けに設計された型で、アフターバーナー使用時137kNの推力を提供します。

AL-31FN

中国のJ-10用に開発されたモデルで、アフターバーナー使用時の推力は127kNです。さらに改良型のAL-31FN-M1も存在し、推力は132.4kNに向上しています。

AL-31FP

インドのSu-30MKI向け改良型で、推力偏向ノズルを搭載しています。この技術により、エンジンの操縦性がさらに向上しました。

AL-41F1

最新のモデルで、Su-57の初期量産型に搭載されます。ここではさらに軽量化が図られ、より高い性能を実現しています。

性能

AL-31Fの具体的な性能は以下の通りです。

• - タイプ：2軸式アフターバーナー付ターボファンエンジン
• - 全長：4,990 mm
• - 直径：内径905 mm、外径1,280 mm
• - 乾燥重量：1,570 kg
• - 推力：ドライ時74.5kN、アフターバーナー使用時122.58kN
• - 圧縮比：全圧縮比23、バイパス比0.59
• - 燃料消費率：200 kg/kN・h（アフターバーナー全開時）

このようにAL-31はその技術的特性と高い信頼性により、多くの航空機に採用され続ける人気のエンジンです。今後も新たな型式が開発され、航空機の性能向上に寄与していくことでしょう。

関連項目

• - WS-10：AL-31Fを参考に開発された中国のターボファンエンジン
• - ゼネラル・エレクトリックF110、プラット・アンド・ホイットニーF100：他の主要なエンジンの例

以上がAL-31ターボファンエンジンの概要です。このエンジンは、冷戦時代から現代にかけての戦闘機の発展において重要な役割を果たしています。

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