リュー・エアーズ

リュー・エアーズ：反戦のメッセージを伝えた俳優の生涯

リュー・エアーズ（1908年 - 1996年）は、アメリカ合衆国出身の俳優です。音楽の才能にも恵まれ、多彩な楽器を演奏しました。

若き日の才能

ミネソタ州ミネアポリスで生まれたエアーズは、アリゾナ大学で薬学を専攻しました。しかし、音楽への情熱は捨てきれず、バンジョー、ギター、ピアノなどの楽器を演奏し、ヘンリー・ハルステッド楽団やレイ・ウェスト楽団に参加しました。ココナッツ・グループでの演奏がきっかけで、パテ社の幹部に見出され、映画界への足がかりを掴みました。

映画界での成功と苦難

1929年に映画デビューを果たし、翌年にはユニヴァーサル社に移籍。1930年の反戦映画『西部戦線異状なし』で、蝶を追いかける兵士という象徴的な役を演じ、観客に強い印象を与えました。しかし、当時はまだキャリアが浅く、スターの座を獲得するには至りませんでした。その後、フォックス社との契約を経て、B級映画を中心に活躍。1938年にはメトロ・ゴールドウィン・メイヤー社に移籍し、『ドクター・キルデア』シリーズに出演しました。

良心的参戦拒否と世間の反発

第二次世界大戦が勃発すると、エアーズは『西部戦線異状なし』に出演した経験から、良心的参戦拒否を表明しました。さらに、映画出演も拒否し、直接戦闘を避けるために看護兵を志願しました。しかし、当時の社会情勢はエアーズの行動を許さず、興行主は彼の主演映画をボイコットし、ファンも彼から離れていきました。

戦後の活動と晩年

1946年に映画界に復帰しましたが、その後も戦争映画への出演を拒否し続けました。ワーナー・ブラザースとの長期契約を結んだものの、出演作はわずか2本にとどまりました。自らを「半引退」と称し、散発的に映画に出演する傍ら、宗教活動に没頭し、宗教ドキュメンタリーの製作にも力を入れました。1960年代からはテレビドラマへの出演が多くなり、俳優としての活動を再開しました。

1996年、ロサンゼルスで生涯を閉じました。

私生活

エアーズは生涯で3度の結婚を経験しました。最初の妻とは1933年に離婚し、同年にはジンジャー・ロジャースと再婚しましたが、1940年に離婚。1964年にダイアナ・ホールと再婚し、彼女とは死別するまで連れ添いました。

リュー・エアーズは、俳優としてだけでなく、自身の信念を貫き、社会に問い続けた人物でした。

主な出演作品

映画
テレビシリーズ

外部リンク

Lew Ayres - IMDb（英語）

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