リンダ・リンダズ

リンダ・リンダズは、アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動する、4人組のパンク・ロック／パワー・ポップバンドです。メンバーは全員がアジア系またはラテン系アメリカ人のルーツを持っています。

バンドの結成と初期の活動
バンド名は、2005年の日本映画『リンダ リンダ リンダ』、そしてその映画のタイトルにもなったTHE BLUE HEARTS|THE_BLUE_HEARTSの楽曲「リンダリンダ」に由来します。2018年1月、女性アーティストに焦点を当てる音楽フェス「Girlschool LA」で、クリスティン・コントロールの企画に参加したことがきっかけでバンドを結成しました。その後、「Save Music in Chinatown」などのチャリティーコンサートに出演し、Phranc、Dils、Gearsといったアーティストと共演。ベスト・コースト、Alice Bag、Bleachedといったバンドともステージを共にしました。また、Netflixのドキュメンタリー『クラウディア・キシ倶楽部』にオリジナル曲を提供しています。

転機と飛躍
2019年4月、ビキニ・キルの再結成コンサートで前座を務めたことが転機となりました。このコンサートで映画監督・脚本家のエイミー・ポーラーの目に留まり、彼女の監督映画『モキシー 〜私たちのムーブメント〜』への出演を果たします。

2021年5月、ロサンゼルス公立図書館がイベントでリンダ・リンダズが「Racist, Sexist Boy」を演奏する動画をTwitterに投稿したことがきっかけで、彼女たちの名は一躍世界に知れ渡ります。この曲は、ドラム担当のミラが新型コロナウイルス流行直前に学校で経験した人種差別が元になっており、そのメッセージ性の強さから大きな反響を呼びました。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリー、サーストン・ムーア、ビキニ・キルのキャスリーン・ハンナといった著名なミュージシャンからも支持され、作家のヴィエット・タン・グエンは「『Racist, Sexist Boy』は今我々に必要な曲」とコメントしました。

同年5月22日、エピタフ・レコードとの契約を発表。6月3日には、人気テレビ番組『ジミー・キンメル・ライブ!』でテレビデビューを果たし、7月21日にはミュージックビデオと共にシングル「Oh!」をリリース。この楽曲は、Netflixのドラマ『The Chair』の予告編にも使用されました。

2022年には、日本の音楽フェスティバル『サマーソニック』に出演し、日本のファンを熱狂させました。

メンバー構成
メンバーは、ベラ、エロイーズ、ルシア、ミラの4人。全員がアジア系、ラテン系、またはそのミックスのルーツを持っています。ルシアとミラは姉妹で、エロイーズはいとこ、ベラは3人の親友です。ルシアとミラ姉妹の父であるカルロス・デラガーザは音楽プロデューサー・エンジニアで、Bad Religionとの仕事を通じて、同バンドのメンバーであるブレット・ガーヴィッツ（エピタフ・レコード創設者）とも繋がりがあります。エロイーズの父親は、雑誌『Giant Robot』の共同設立者・編集者であるマーティン・ウォンです。

彼女たちの音楽は、パンク・ロックのエネルギーとパワー・ポップのメロディを融合させ、社会的なメッセージを込めた歌詞が特徴です。若さ溢れるパフォーマンスと、多様なルーツを持つメンバー構成が、多くの人々から共感を呼んでいます。

もう一度検索