リージェント香港

リージェント香港は、九龍のサリスベリーロード18号に位置する、ビクトリアハーバーに面した五つ星ホテルです。その歴史は1980年に「ザ・リージェント香港」として開業したことに始まり、数々の変遷を経て、2023年11月8日に「リージェント香港」としてリニューアルオープンしました。リージェント・ホテルズ&リゾーツのフラッグシップ施設であり、IHGホテルズ&リゾーツのラグジュアリー&ライフスタイルポートフォリオを代表するランドマークとして、その名を知られています。

歴史

1980年、ホテルはニューワールド・デベロップメントが所有し、リージェント・インターナショナルホテルズが運営する「ザ・リージェント香港」として開業しました。リージェント・インターナショナルホテルズは、ホテリエのロバート・H・バーンズと日本の東急ホテルズグループによって1970年に設立され、このホテルはフラッグシップ施設として建設されました。1992年には、リージェント・ホテルズグループがフォーシーズンズホテルズに買収されるという動きがありました。

2001年、ニューワールドはホテルをバス・ホテルズ・アンド・リゾーツに売却し、インターコンチネンタル香港にリブランドされました。当時、リージェント・ホテルズを所有していたフォーシーズンズホテルズは、このホテルの管理契約の一部を保有しており、ニューワールドとの間で賃料仲裁に入りましたが、最終的には和解に至りました。その後、2015年には、バス・ホテルズ・アンド・リゾーツの後継会社であるインターコンチネンタル・ホテルズ・グループ（IHG）が、インターコンチネンタル香港を投資家コンソーシアムに売却しましたが、IHGは管理契約を維持しました。

2018年、IHGホテルズ&リゾーツがリージェント・ホテルズの過半数の株式を取得した際、改装後にリージェント香港として再びリブランドされることが発表されました。インターコンチネンタル香港は2020年4月20日に正式に営業を終了し、大規模な改装工事を経て、2023年11月8日にリージェント香港として華麗にリニューアルオープンを果たしました。このリニューアルオープンを記念する祝賀式典では、イタリアからのアクロバットダンサーによるパフォーマンスが披露され、ホテルのファサードとロビーの大きな窓を舞台にした香港初の垂直ファサードダンスが話題を呼びました。

設備

リージェント香港は、497室の客室を備え、香港出身のデザイナー、チー・ウィン・ローによって設計されました。デザインは、職人の手による落ち着いた内装と、ビクトリアハーバーの壮大な景色とのコントラストが際立つもので、「パーソナル・ヘイブン（個人の安息所）」というコンセプトが、ホテル全体に散りばめられています。

客室は2023年3月以降、段階的にオープンしており、2024年6月には、プライベートテラス付きの3つの邸宅的な滞在空間「シグネチャースイートコレクション」が公開されました。プレジデンシャルスイートは650平方メートルの2階建てで、インフィニティプール付きの屋上テラスが特徴です。テラススイートは510平方メートルの2階建てで1ベッドルーム、CEOスイートは390平方メートルの2ベッドルームで、屋上テラスとビクトリアハーバーを見渡せる大きな窓が備わっています。リージェントクラブは、スイートまたはクラブアクセス付きの客室に滞在するゲスト専用のラウンジです。プールテラスには、屋外プールや3段階の温度調節が可能なインフィニティプランジプールがあり、リラックスできる空間を提供しています。フィットネスセンターは24時間営業で、テクノジム社製の最新設備が完備されています。

リージェント香港は、香港市内における主要な社交行事の会場としても知られており、結婚式や格式高い式典などが頻繁に開催されます。滝のように流れる噴水が印象的なエントランスを抜けると、柱のないリージェントボールルームへと続く大理石の階段があります。また、リージェントボールルームに加え、パノラマのハーバービューを望む10の宴会場も利用可能です。

レストラン、バー

ホテル内には6つのレストランとバーがあります。2022年12月26日には、新しい装飾と料理を提供する3つのレストラン「ザ・ステーキハウス」、「ロビーラウンジ」、「ハーバーサイド」が先行してオープンしました。また、ミシュランの星を獲得した広東料理レストラン「欣圖軒（ヤントーヘン）」は、元の名称「麗錦軒（ライチンヘン）」にリブランドされました。さらに、世界的な日本人シェフ松久信幸氏が手掛ける高級レストラン「ノブ香港」が、2023年11月にホテルに復帰しました。2023年12月には、希少なスピリッツを中心に提供する「クラ・バー」もオープンし、プライベートダイニングルームとシガーバーも楽しめます。

メディアでの登場

リージェント香港は、多くの著名人が宿泊し、数々の映画、テレビ番組、旅行番組で取り上げられてきました。宿泊した著名人には、イギリス王族、歴代アメリカ大統領、フランク・シナトラ、エリザベス・テイラー、ロバート・デ・ニーロ、アンジェリーナ・ジョリー、ブラッド・ピットなどがいます。また、テレビミニシリーズ「ノーブルハウス」、テレビ映画「ナイトウォッチ」、テレビシリーズ「ダイナスティ」などの撮影場所としても使用されました。特にプレジデンシャルスイートは、ドラマシリーズ「ボーゲン」、テレビ番組「ベター・レイト・ザン・ネバー」、映画「ロスト・イン・香港」などで使用され、ミュージックビデオの撮影場所としても、浜崎あゆみの「Distance Love」やジェイ・チョウの「給我一首歌的時間」などが撮影されています。

受賞歴

リージェント香港は、再開業以降、数々の国際的な賞を受賞しています。2024年には、「コンデナスト・トラベラー読者賞」で香港・マカオのトップ10ホテル第3位、「トラベル+レジャー・ワールドベストアワード」で香港シティホテル第1位を獲得するなど、そのクオリティが高く評価されています。その他、「キャセイ・メンバーズ・チョイス賞」、「トラベルウィークリー・アジア読者賞」、「トラベル+レジャー・ラグジュアリーアワード・アジア太平洋」など、数多くの賞を受賞しています。

ホテル内のレストランも、数々の賞を受賞しており、特に「麗錦軒」はミシュランガイドで二つ星を獲得しています。「ザ・ステーキハウス」もミシュランガイド掲載レストランとして知られています。その他、「ナショナルジオグラフィック」の「世界のベストレストラン」や、「ブラックパールレストランガイド」など、様々な賞を受賞しています。

関連項目

インターコンチネンタルホテルズグループ

脚注

外部リンク

Regent Hong Kong（英語）

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