リース取引に関する会計基準

リース取引に関する会計基準の概要

リース取引における会計基準、すなわち企業会計基準第13号は、財団法人企業会計基準委員会（ASBJ）によって策定され、リース取引に関連する原則や基準が明示されています。この基準は、特に2008年4月以降に適用され、所有権移転外ファイナンス・リースに関しては賃貸借処理（オフバランス処理）が認められず、売買処理（オンバランス処理）に一本化されることとなりました。しかしながら、オペレーティング・リース取引は従来通り賃貸借処理が可能です。

制度の核心

この会計基準の主要なポイントは、リース取引を「ファイナンス・リース」と「オペレーティング・リース」の2つに分けることにあります。ファイナンス・リース取引では、契約満了後の所有権移転にかかわらず、売買取引として処理されます。具体的には、ファイナンス・リースは、解約不能であることや実質的な固定資産の購入と同等の経済的利益を伴うことが求められます。これにより原則として売買取引が適用され、その他の取引はオペレーティング・リースとして賃貸借処理が認められます。

借手側では、未経過リース料が「リース債務」として計上され、一方で貸手側では未経過リース料が「リース投資資産」として計上されます。この処理により、企業の貸借対照表にリース取引がより明確に反映され、透明性が高まります。

重要性の判断

リース取引の重要性については、全体のリース取引額や個々のリース資産の観点で評価されます。借手の場合、固定資産に対する未経過リース料の割合が10%未満であれば、その取引は重要性が低いと見なされ、簡便処理が認められます。ただし、リース事業を主たる事業とする企業には別のルールが適用され、注意が必要です。また、借手側の契約に関しては、リース期間が1年以内の場合やリース料が少額であるときには、オペレーティング・リースのように処理されます。

注記についての考慮事項

リース取引については、オペレーティング・リースの処理がオフバランスとなるため、注記の省略は許可されません。具体的な記載内容は、リース資産や未経過リース料の詳細に基づいて必須とされます。

日本と国際会計基準の違い

日本におけるリース取引は、単なる固定資産の取得手段としてだけでなく、リース会社の提供するアフターサービスを含むサービス商品としての価値が高く評価されています。これに対し、国際会計基準（IAS）や米国会計基準では、リース取引は基本的に売買取引として扱われており、日本の賃貸借処理は独自の「特殊性」とされています。従い、日本の会計基準は国際的な調和を求め、2008年から全てのファイナンス・リース取引を売買取引として扱うことが決定されました。

結論

リース取引に関する会計基準は、企業の透明性と適正な財務報告を促進する重要な役割を果たしています。これにより、企業の財務状況が明確になり、利害関係者にとってもより理解しやすい情報が提供されるようになりました。

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