ルアン・パバンの町

ルアンパバーン：歴史と文化が息づくラオスの古都

ルアンパバーンは、ラオスの北部、メコン川とナムカーン川の合流地点に位置する、歴史と文化が豊かな古都です。1995年にユネスコの世界遺産に登録されたこの町は、かつてラーンサーン王国の首都として栄え、現在もその美しい町並みを残しています。

歴史

ルアンパバーンは、1353年にラーンサーン王国の初代国王ファーグム王によって首都に定められ、当初はシェントーンと呼ばれていました。16世紀には一時的にビエンチャンに遷都されましたが、その後再び首都となり、1975年までルアンパバーン王国の首都として重要な役割を果たしました。この間、多くの寺院や王宮が建設され、歴史的な建造物が数多く残されています。

仏領インドシナ時代には地方都市として機能し、現在もラオス北部の経済の中心地として重要な役割を担っています。

世界遺産登録

1990年代初頭から、ラオス政府や外国の基金、個人の支援により、ルアンパバーンの保存活動が活発化しました。1994年にはICOMOS（国際記念物遺跡会議）がユネスコに推薦し、1995年に正式に世界遺産として登録されました。

登録基準

ルアンパバーンが世界遺産に登録された理由は、以下の３つの基準を満たしているからです。

(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
* (5) ある文化（または複数の文化）を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。

これらの基準に加え、推薦機関であるICOMOSは、ルアンパバーンの景観が伝統的な建築物、都会的建造物、そして19世紀から20世紀にかけての植民地時代の建築物が独特の調和を保ち、二つの文化が融合した様子を伝えている点を評価しました。

魅力

ルアンパバーンの魅力は、何といってもその美しい町並みです。数多くの寺院、旧王宮、植民地時代の建築物などが、メコン川と緑豊かな山々に囲まれた風景と調和し、独特の景観を作り出しています。特に、朝に行われる托鉢の儀式は、ルアンパバーンの象徴的な光景として知られています。また、ナイトマーケットでは、ラオスの伝統工芸品や食文化を体験できます。

名称について

以前は「ルアン・プラバン」という表記が用いられていましたが、これはタイ語による呼称をローマ字で音写したものであり、必ずしも原音を正確に反映しているとは言えません。現在では、より原音に近い「ルアン・パバン」または「ルアンパバーン」という表記が推奨されています。

訪れる際の注意点

ルアンパバーンは、歴史的建造物が多く残る観光地であり、訪れる際には、その文化や歴史に敬意を払うことが大切です。また、気温が高く日差しが強い日も多いため、日焼け対策や水分補給をしっかり行いましょう。

まとめ

ルアンパバーンは、歴史、文化、自然が調和した美しい古都です。この町を訪れれば、ラオスの歴史や文化に触れ、心に残る体験ができるでしょう。

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