ルアー (競走馬)

ルアー:芝の王者、そして伝説の種牡馬



ルアー(Lure)は、20世紀を代表するアメリカ合衆国の競走馬であり、種牡馬としてその血脈を繋いだ名馬です。特に芝マイル路線で圧倒的な強さを発揮し、数々の栄光を掴みました。その華麗なる競走生活と、引退後の功績について詳細に見ていきましょう。

華々しいデビューと芝への転身

1991年ダート戦でデビューしたルアーは、5ハロン戦をレコードタイムで圧勝。類まれなスピードを証明しました。しかし、続くシャンペンステークスでは6着と敗退。2歳シーズンを終えます。翌1992年、ゴーサムステークスで重賞初制覇を飾るも、ダートでは伸び悩みが見られました。そこで陣営は、芝路線への転向を決断します。この英断は大きな成功を収め、芝初戦で10馬身差の圧勝劇を演じると、以後芝のレースを主戦場として活躍の場を広げます。

ブリーダーズカップ・マイル連覇

転向後、ルアーの真価が問われたのは、1992年ブリーダーズカップ・マイルです。1番人気はアラジ、2番人気にはイギリスから参戦したセルカークという強力なライバル陣営の中、3番人気に支持されたルアーは、その驚異的なスピードで1分32秒90のレコードタイムを叩き出し、見事G1初制覇を成し遂げました。2着には、後にジャパンカップにも参戦するパラダイスクリークが入線しました。

1993年は、8戦6勝2着2回という素晴らしい成績を残しました。スターオブコジーンパラダイスクリークといった強豪と互角以上に渡り合い、8ハロン戦では無敗を誇ります。そして、ブリーダーズカップ・マイルでは、前年の勝利に続き、連覇を達成しました。

ライバルとの激闘と引退

1994年、ルアーは成長著しいパラダイスクリークと幾度となく対戦。ブリーダーズカップ・マイル3連覇を目指し、挑戦を続けました。しかし、本番では逃げ馬として知られるルアーは、バラシアに先手を取られ、逃げ切りを許してしまい9着に終わりました。このレースを最後に、ルアーは競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。

牡馬としての成功と晩年

引退後は、故郷のクレイボーンファームに戻り、種牡馬として活躍しました。数々の優秀な産駒を残し、その血統は現代競馬に大きな影響を与えています。2004年に種牡馬を引退し、2017年に死亡しました。その功績は、20世紀のアメリカ名馬100選において85位に選出されたことからも明らかです。

主な戦績

1991年:3戦1勝
1992年:7戦4勝 (ゴーサムステークス、ブリーダーズカップ・マイル)
1993年:8戦6勝 (アーリータイムズターフクラシック、ディキシーハンデキャップ、ダリンズジョイステークス、ケルソハンデキャップ、ブリーダーズカップ・マイル)
1994年:7戦3勝 (エルコーンステークス、シーザーズ国際ハンデキャップ、バーナードバルークハンデキャップ)

ルアーは、その類まれなスピードと、芝路線での活躍によって、アメリカの競馬史に名を刻んだ偉大な競走馬でした。その輝かしい功績は、多くの競馬ファンに長く記憶されることでしょう。そして、種牡馬としての成功も、その名を不滅のものとしたと言えるでしょう。

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