ルイ3世 (プロヴァンス王)

ルイ3世の生涯と業績

ルイ3世（Louis III、880年頃 - 928年6月5日）は、ボゾン家のプロヴァンス王（在位：887年 - 928年）として知られています。彼はカール3世皇帝の養子として幼いころから権力の座にありました。ルイの母エルマンガルドは、父ボソが887年に死去した後、カール3世に庇護を求めた結果、ルイはプロヴァンス王位を継承することになりました。さらに、彼はロドヴィコ2世の孫であったため、イタリア王位にも野心を抱くようになります。

イタリア王位とローマ皇帝

900年、ルイはイタリア王ベレンガーリオ1世の対立王として名乗りを上げ、901年には教皇ベネディクトゥス4世によってローマで皇帝に戴冠されました。彼の即位は、ローマ皇帝としての地位を確固たるものにするものでしたが、この栄光は長くは続きませんでした。905年、ベレンガーリオ1世との戦いで捕えられ、眼球を摘出され失明させられる結果となったのです。この出来事により、彼は「盲目王」（l'Aveugle）と呼ばれるようになりました。

失明後、ルイはプロヴァンスに戻り、名目上はプロヴァンス王を名乗り続けましたが、実権は遠戚で義兄にあたるアルル伯ユーグが握っていました。こうした背景から、ルイは自身の権力を失い、影の存在となってしまったのです。

家族と子女

ルイ3世は900年頃、東ローマ皇帝レオーン6世の娘とされるアンナ（887年頃 - 914年）と結婚しました。アンナとの結婚生活は塵も積もれば山となるようなものでしたが、彼女の死後、ルイはブルグント王ルドルフ1世の娘アーデルハイトと再婚しました。この結婚により、彼は息子を一人もうけました。

彼の息子、シャルル・コンスタンティン（? - 962年）は後にヴィエンヌ伯として活躍しました。また、ベレンガーリオ1世の2度目の妃アンナは、伝説によるとルイ3世とアンナの娘とも言われています。

ルイ3世の影響と評価

ルイ3世の時代は、サリカ法や教皇との関係など、西ヨーロッパの政治状況に大きな影響を与えました。彼の失敗は対立王との抗争から始まりましたが、その結果としてプロヴァンス王国の力が削がれ、王国の中で派閥が形成される一因ともなりました。

彼の業績は決して光り輝くものではありませんでしたが、政治的な視点から見ると彼の生涯は当時の複雑な権力闘争や家系の結びつき、そして王国間の緊張を物語っています。ルイ3世の不運な結末は、彼が抱えた矛盾と野心の象徴とも言え、彼の歴史的な位置付けは今なお語り継がれています。

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