ルネ・ド・ブルボン＝パルム

ルネ・ド・ブルボン＝パルム：激動の時代を生きたブルボン家の公子

ルネ・ド・ブルボン＝パルム（René de Bourbon-Parme, 1894年10月17日 - 1962年7月30日）は、ブルボン＝パルマ家の公子として生まれました。彼は、最後のパルマ公ロベルト1世と、その2番目の妻マリア・アントニア（ポルトガルの廃王ミゲル1世の娘）の間の第7子、四男でした。父にとっては第19子、9番目の息子にあたります。オーストリア東部のシュヴァルツァウ城で生まれ育ちました。

デンマーク王女との結婚

1921年6月9日、ルネはコペンハーゲンでデンマーク王子ヴァルデマーの娘マルグレーテと結婚しました。デンマーク王室はルター派でしたが、マルグレーテは母マリー・ドルレアンの影響でカトリック信徒として育てられました。この結婚は、異なる宗教を持つ王室間の結びつきとして注目されました。

フランスでの生活と第二次世界大戦

ルネはフランス国籍を有しており、一家は主にフランスで生活しました。しかし、その暮らしぶりは比較的貧しかったとされています。第二次世界大戦前夜には、一時的にフィンランド軍に義勇兵として入隊しています。大戦が勃発すると、ルネ一家はナチス・ドイツのフランス侵攻を避けて国外へ脱出。スペイン、ポルトガル、アメリカ合衆国を転々としながら終戦を迎えました。この亡命生活は、一家にとって大きな試練となりました。

子女

ルネとマルグレーテの間には、3男1女が生まれました。

ジャック・マリア・アントワーヌ・ロベール・ワルドマル・シャルル・フェリックス・シクスト・アンスガル（1922年 - 1964年） - 1947年、ビアギッテ・ア・ホルスタイン＝リズラボー伯爵夫人と結婚
アンヌ・アントワネット・フランソワーズ・シャルロット・ジタ・マルグリット（1923年 - 2016年） - 1948年、ルーマニア元国王ミハイ1世と結婚
ミシェル・マリー・グザヴィエ・ワルドマル・ジョール・ロベール・カール・エマール（1926年 - 2018年） - 1951年、ブロイ公女ヨランドと結婚（1999年離婚）、2003年にイタリア・サヴォイア家のマリーア・ピアと再婚
アンドレ・マリー（1928年 - 2011年） - 1960年、Marina Gacryと結婚

アンヌはルーマニア国王ミハイ1世と結婚し、王室の一員として歴史に名を刻みました。ミシェルの再婚相手であるマリーア・ピアは、イタリア王家の一員であり、彼らの結婚もまた注目を集めました。

ルネ・ド・ブルボン＝パルムは、激動の20世紀を生き抜き、ヨーロッパの王室と深く関わりながら、その生涯を終えました。

もう一度検索