ルバンゴ

ルバンゴは、アンゴラ南西部の標高1720mに位置する高原都市であり、ウイラ州の州都として知られています。人口は約10万人で、豊かな自然に囲まれた地域です。この都市は、1975年までは「サ・ダ・バンデイラ」という名で呼ばれていました。

ルバンゴは、ナミベとメノングエを結ぶ鉄道が通る交通の要衝であり、周辺地域で生産される農産物の集散地として重要な役割を果たしています。肥沃な土地と交通の便の良さから、農業と商業が盛んな地域として発展してきました。

ルバンゴの歴史は、1882年にポルトガル領マデイラ諸島からの植民者によって開かれたことに始まります。その後、1885年にはナミビアのグルートフォンテインから来たボーア人たちが別の植民地を建設しましたが、この地域をポルトガル領と主張するポルトガル政府との間で紛争が発生しました。ベルリン会議の結果、この地域がポルトガル領と確定すると、ボーア人たちはグルートフォンテーンへと引き上げていきました。このように、ルバンゴは多様な民族が交錯する場所として、複雑な歴史を歩んできました。

1923年には、鉄道がルバンゴに到達し、モサメデス（現在のナミベ）と結ばれました。これにより、ルバンゴはさらに発展し、地域経済の中心地としての地位を確立しました。鉄道の開通は、ルバンゴの産業と貿易の発展に大きく貢献しました。

しかし、アンゴラ内戦の初期には、ルバンゴもその影響を大きく受けました。市内には、アンゴラ解放人民運動（MPLA）に対抗する親米二派、アンゴラ民族解放戦線（FNLA）とアンゴラ全面独立民族同盟（UNITA）が拠点を構えていました。1976年1月18日には、この二派が戦闘状態に陥り、市内は混乱に包まれました。この戦闘により、残留していたポルトガル人ら約6000人が空港へ退避するという事態が発生しました。内戦の激化は、ルバンゴの社会と経済に深刻な影響を与えました。

ルバンゴは、豊かな自然と多様な歴史を持つ都市です。肥沃な土地と交通の要衝としての利点を活かし、農業と商業の中心地として発展してきました。しかし、内戦の影響も大きく、その復興はまだ途上にあります。今後のルバンゴが、平和と安定の中でさらなる発展を遂げることが期待されています。

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