ルパン三世 プリズン・オブ・ザ・パスト

『ルパン三世 プリズン・オブ・ザ・パスト』は、2019年11月29日、日本テレビ系列の『金曜ロードSHOW!』にて放送された『ルパン三世』のテレビスペシャルシリーズ第27作です。モンキー・パンチ原作、視聴率は10.1％を記録しました。

本作は、前作『ルパン三世 グッバイ・パートナー』に続くテレビスペシャルとして、完全新作ストーリーで制作されました。原作者モンキー・パンチさんが同年4月11日に亡くなられたため、原作者没後、本格的に制作された最初のアニメ作品という重要な意味も持ちます。また、令和元号になってからの最初のテレビスペシャル作品であり、同年に新作のテレビスペシャルが2本放送されたのも初めてのことでした。

監督は『ルパン三世 TV第2シリーズ』から原画や作画監督を務めた辻初樹氏、脚本は『ルパン三世 PART5』第20話の脚本を担当した西田シャトナー氏、総作画監督は前作『グッバイ・パートナー』に引き続き丸藤広貴氏が担当しました。

本作は、従来シリーズのようなコミカルな要素を重視し、子供から大人まで楽しめる作品を目指して制作されました。ルパン、次元、五ェ門の仲間割れは、潜入前の一時的なもめ事に留まり、潜入後はいつもの連携を見せています。また、銭形警部との「二人三脚」シーンも、ルパンではなく次元との組み合わせとなり、新鮮な展開を見せています。さらに、ゲストキャラクターに死者が出ないという、テレビスペシャルでは珍しい点も特徴の一つです。

ゲストキャラクターとして、『ルパン三世 PART5』のオリジナルレギュラーキャラクターである八咫烏五郎が再登場しました。別のルパン作品からのキャラクターがテレビスペシャルに再登場するのは、本作が初めてです。また、お笑いコンビ・阿佐ヶ谷姉妹がアナウンサー役で声優として参加しています。

オープニングに全てのスタッフクレジットを集約し、エンディングはスタッフロールを省略した構成となっています。オープニングの舞台は、監督である辻氏の出身地である北海道の留萌市と増毛町（作中では「北海道某所」表記）を舞台としています。

本作は、テレビスペシャルシリーズ第1作『ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!』から次元大介を演じ続けた小林清志さんの最後の出演作品となりました。小林さんは本作について、「ルパンはこうでなくちゃ」、「これが面白いんだよ」と語ったと伝えられています。

衣装デザインは、ルパン以外のレギュラーメンバーは前作と同じですが、ルパンは赤のジャケットに黒のワイシャツ、黄色のネクタイ、黒のズボンというデザインで、『ルパン三世 THE FIRST』の公開に合わせてデザインされました。

あらすじ

舞台は、一度入ったら二度と出られないと言われるドルエンテ王国のエルギュイユ監獄です。現代の義賊として知られるフィネガンが死刑執行を迎えようとしていました。フィネガンは、各国の政治家の財宝を貧しい人々に分け与えた人物です。北海道の監獄から脱獄したばかりのルパンは、次元、五ェ門と共にフィネガンを救出し、お宝を分け合おうとドルエンテ王国に向かいます。

しかし、そこにはフィネガンのお宝を狙う不二子をはじめ、多くの泥棒たちが集結していました。泥棒たちは次々と監獄に挑み、捕らえられていきます。ルパンたちは監獄に潜入することに成功しますが、フィネガンによってルパンと五ェ門は海に落とされ、次元は捕らえられてしまいます。

ルパンは偶然にも監獄の広場で、捕らえられた泥棒たちと次元が鎖に繋がれ、闇オークションにかけられているのを目撃します。エルギュイユ監獄は、囚人を闇組織に売る人身売買の場だったのです。

登場人物

本作には、ルパン三世、次元大介、石川五ェ門、峰不二子、銭形警部といったおなじみのキャラクターに加え、個性豊かなゲストキャラクターが登場します。

八咫烏五郎（声 - 島崎信長）：『PART5』から登場した銭形の部下。正義感はあるものの、経験不足で空回りすることが多い。

ロレンサ（声 - 桑島法子）：エルギュイユ監獄の所長。冷酷に見えて、実は正義感の強い人物。

ベルテ/フィオ（声 - 三木眞一郎）：ロレンサの身を守る騎士。ドルエンテ王国の王子フィオの偽名。

ヘクター・コルベット・フィネガン（声 - 平田広明）：義賊を装った死の商人。

ドルエンテ国王（声 - 緒方賢一）：フィネガンに監禁されていたドルエンテ王国の王。

スカラトス（声 - 坂詰貴之）：フィネガンの部下。嫌味な性格で、ヘリの操縦や近接格闘に長けている。

その他、ダイナマイト・ジョー、ドク・ハインツ、バルマー兄弟、バルマー三号、オレジャーネといった個性的な泥棒たちが登場し、物語を盛り上げます。

スタッフ、主題歌の情報については、省略させていただきます。

もう一度検索