ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎

ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎：詳細解説

1990年7月20日、日本テレビ系の『金曜ロードショー』で放送された『ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎』は、モンキー・パンチ原作のテレビスペシャルシリーズ第2作として高い人気を誇ります。19.1%という高い視聴率を記録し、1996年には再放送（視聴率19.6%）もされました。本作以降、ルパン三世のテレビスペシャルは『金曜ロードショー』枠で、夏季（7月下旬～8月上旬）に放送されるのが通例となりました。

物語の舞台：コルカカ島

物語の舞台は、地中海に浮かぶ架空の島、コルカカ島です。面積は約4万平方キロメートルと、シチリア島を上回る広大な島で、かつてアーネスト・ヘミングウェイが秘宝を発見したという伝説が残されています。そのため、多くの宝探し集団が島に押し寄せ、内戦状態に陥っているのです。

謎の原稿と三つ巴の争奪戦

本作の最大の謎は、ヘミングウェイの未発表原稿「ヘミングウェイ・ペーパー」です。この原稿には、莫大な財宝の在り処が記されていると噂されており、ルパン三世、傭兵部隊の長コンサノ、コルカカ島の大統領カルロスという三者が、それぞれ原稿と財宝を狙って争います。

ルパンは単独で黄金の鍵を盗もうとしますが、マッシュ率いる私設軍隊に先を越されてしまいます。不二子は死の商人マルセスに協力し、次元と五ェ門はそれぞれコンサノとカルロスの軍に雇われ、思わぬ形で争いに巻き込まれていきます。

複雑に絡み合う登場人物たち

ルパンの仲間である次元と五ェ門は、それぞれ過去の因縁からマッシュへの復讐、そして「パンドラの箱」という謎の宝箱に興味を持ち、ルパンとは別の行動を取ります。峰不二子はマルセスの秘書として、裏でヘミングウェイ・ペーパーを狙います。銭形警部はルパンを追ってコルカカ島にやって来ますが、これもまた争いに巻き込まれることとなります。

コルカカ島の住人であるマリアは、島を荒廃させたコンサノとカルロスへの復讐心に燃える女性です。彼女はルパンを匿い、島の秘密を明かしていきます。コンサノとカルロスは、かつて共に宝探しにやってきた仲でしたが、今では島の支配権を巡って激しく争っています。マルセスは、アメリカの武器密売組織のボスで、冷酷非情な人物です。マッシュは、裏切りを繰り返す冷酷な傭兵です。次元は過去の因縁から彼を殺そうとします。

驚愕の結末とヘミングウェイの秘宝

ルパンたちは幾多の困難を乗り越え、「パンドラの箱」を開け、ヘミングウェイ・ペーパーを手に入れますが、それは新たな謎の始まりでした。原稿に記されていたのは、美しい結晶で覆われた洞窟、「宮殿」の場所でした。しかし、その結晶は高濃度のウランであり、危険な場所だったのです。

ルパンたちは、コンサノとカルロスの両軍、そしてマッシュとの戦いを繰り広げながら、この危険な場所から脱出します。最終的に、ウラン洞窟は崩壊し、コンサノとカルロス、そしてマッシュは命を落とします。ルパンは、平穏を取り戻したコルカカ島を後にします。

作品全体のまとめ

『ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎』は、スリリングな冒険と個性豊かなキャラクター、そして予想外の結末が魅力の作品です。美しい南国の島を舞台にした壮大なスケールと、ルパン一味の活躍は、多くの視聴者を魅了しました。シリーズ屈指の人気作として、現在でも多くのファンに愛されています。

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