ルパン三世 盗まれたルパン 〜コピーキャットは真夏の蝶〜

ルパン三世 盗まれたルパン 〜コピーキャットは真夏の蝶〜

2004年7月30日、日本テレビ系の『金曜特別ロードショー』で放送された『ルパン三世』TVスペシャル第16作。視聴率は21.1％を記録し、シリーズ初となる地上デジタル放送作品でもあります。タツノコプロ出身の上田秀ひと監督がシリーズ初参加し、スタッフにもタツノコプロ出身者が多く参加しているのが特徴です。また、音楽は『TV第2シリーズ』で使用された楽曲のアレンジ版が用いられ、懐かしい雰囲気も演出されています。脚本は大川俊道が『ルパン三世 PARTIII』以来、20年ぶりにシリーズに復帰しました。

ストーリー

フランスのバスティーユで発生した強盗事件。盗まれたのはブルボン朝の財宝でしたが、銭形警部は犯人をルパン三世と断定します。しかし、現場には左腕に蝶のタトゥーを持つ金髪の少女、ベッキーがいました。ルパンはベッキーから財宝を横取りしますが、それは罠であり、謎の男マルコヴィッチに捕まってしまいます。

マルコヴィッチは不二子を人質にとり、ルパンにグラン・バトー博物館に収蔵されている「ブルズ・アイ」という呪われた宝石の窃盗を強要します。盗んだ者は必ず死ぬという伝説を持つこの宝石。ルパンは次元大介と石川五ェ門の協力を得て、見事「ブルズ・アイ」を盗み出しますが、今度はベッキーに奪われてしまいます。

ベッキーは、かつてルパンとコンビを組んでいた女泥棒「キャット」の娘でした。彼女は母の死の真相を探るため、ルパンの手口を真似た数々の犯罪を犯し、「コピーキャット」と呼ばれていました。ルパンはベッキーから「ブルズ・アイ」を取り戻そうとしますが、その過程で母の死の真相と「ブルズ・アイ」の秘密が明らかになっていきます。

ルパンはマルコヴィッチに「ブルズ・アイ」を届けますが、不二子に裏切られ、宝石を奪われてしまいます。しかし、ルパンは事前に宝石を偽物にすり替えており、本物には発信器を仕込んでいました。発信器を頼りに、ルパンは「ブルズ・アイ」の伝説の真相、そしてマルコヴィッチとICPO特務局次長マーフィーの陰謀を暴いていきます。

実は「ブルズ・アイ」は、発信器を仕込んだ偽物であり、盗んだ泥棒のアジトを突き止めるための罠でした。マルコヴィッチとマーフィーは、ルパンが過去に盗んだ財宝「ルパン・コレクション」を狙っており、ルパンを騙してそのアジトを突き止めようとしていたのです。

ルパンはベッキーを助け、彼女の母キャットを殺した犯人がマーフィーであることを突き止めます。マーフィーはマルコヴィッチを利用してルパン・コレクションを手に入れようとしていたのです。しかし、ルパンはすべてを見越しており、マーフィーの策略を打ち砕き、彼を逮捕へと追い込みます。

最後に明かされる衝撃の事実。ルパンのアジトとされていたボスキート村は、マーフィーを誘き寄せるための策略であり、そこにあったルパン・コレクションは全て贋作でした。真のルパン・コレクションは、次元、五ェ門、不二子、そして彼を支える仲間たちだったのです。ベッキーはルパンたちと別れ、自身の道を歩み始めるのでした。

登場人物

メインキャラクター

ルパン三世：世界的な大怪盗。
次元大介：ルパンの相棒、凄腕のガンマン。
石川五ェ門：ルパンの相棒、居合いの達人。
峰不二子：ルパン一味の紅一点、謎めいた美女。
銭形警部：ルパンを追うICPOのベテラン刑事。

ゲストキャラクター

ベッキー：キャットの娘、ルパンの手口を模倣する若き女泥棒。
ジョセフ・マルコヴィッチ：元強盗団のボス、物語の黒幕の一人。
ブライアン・マーフィー：銭形の上司、ICPO特務局次長、そして真の黒幕。
ランバージャック：ベッキーを助ける機械工、ルパンとキャットの旧知の仲。
キャット：ベッキーの母、故人。かつてルパンとコンビを組んだ女泥棒。
* その他、マルコヴィッチやマーフィーの手下たち。

スタッフ

原作：モンキー・パンチ
監督：うえだひでひと
脚本：大川俊道
音楽：大野雄二
そして、その他多くのスタッフが関わっています。

この作品は、緻密に練られたストーリー、個性豊かなキャラクター、そして美しい映像と音楽によって、シリーズの中でも高い評価を得ています。ルパンシリーズファンのみならず、多くの視聴者を魅了する、傑作TVスペシャルと言えるでしょう。

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