ルパン三世 ルパンVS複製人間

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』の概要

『ルパン三世 ルパンVS複製人間』は、1978年に公開された日本のアニメ映画であり、モンキー・パンチの作品『ルパン三世』を基にした劇場映画の第一弾です。本作では、賢者の石を巡る争奪戦を通じて、ルパン三世と神を名乗る謎の男・マモーとの対決が描かれています。監督は吉川惣司が務めました。

タイトルの由来

元々のタイトルは単に『ルパン三世』でしたが、他の作品との差別化のために副題「ルパンVS複製人間」が付けられました。この副題は、当時のプロモーションでのキャッチコピーの一部から来ており、公開当初は「マモー編」などと呼ばれることもありました。

制作背景と目的

本作は、日本テレビ系列で放送中だった『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』の人気を受けて制作されました。当時の劇場アニメは多くがテレビシリーズの総集編である中、5億円もの製作費をかけた完全な新作として企画されました。制作側は「初期の大人向けのルパンが見たい」というファンの声に応えるために、アダルトでハードな世界観を再現することを目指しました。このために『TV第1シリーズ』のスタッフが多く関与し、彼らの経験が生かされています。

本作においては、峰不二子以外のオリジナルの女性キャラクターは登場せず、ルパンと不二子の関係が物語の重要な要素になっています。また、作品をよりインパクトあるものとして演出するために、大画面公開（ビスタ・サイズ）に合わせた作画技術が用いられ、「世界初の長編アニメビジョン」として宣伝されました。

ストーリーの概要

ストーリーは、ある日処刑されるはずの男が実はルパン三世であるという衝撃的な展開から始まります。銭形警部はその事実を信じず、真相を追い求める中、ルパンが隠れ家で賢者の石を盗み出すという事件に巻き込まれていきます。

ルパンは不二子の依頼を受け、賢者の石を手に入れますが、不二子はこの石を奪おうと画策します。さらに、マモーなる謎の男が登場し、彼の持つクローン技術が物語に大きく絡んでいきます。クローンに関する知識は当時の最新の関心事であり、作品中にそのテーマを盛り込むことで、SF的な要素も組み込まれています。

ルパンは、マモーとの対決を通じて彼の悪巧みを阻止し、自らの存在を証明しなければなりません。物語は次第に大きなスケールへと広がり、最終的にはルパンがマモーとの壮絶な戦いを繰り広げる展開に進んでいきます。

制作と影響

本作では、細部にわたる作画のリアルさが重視され、特にメカや小道具の精密なデザインが際立っています。キャラクターとストーリーが高度に緻密に構成され、視覚的にも濃密な作品に仕上がりました。ただのエンターテインメントに留まらず、観客に深い印象を与える内容となっています。

公開当初は賛否が分かれたものの、後の『ルパン三世』シリーズに多大な影響を与え、ファンの間では「ルパン三世」の中でも特に評価が高い作品の一つとなりました。公開から数十年が経った今でも、多くのファンに支持され続けています。

最後には、ルパンが仲間たちと共に悪を打ち倒し、仲間との絆も深まるというメッセージが込められています。ルパンシリーズの魅力である冒険とユーモア、そして大胆不敵な行動が際立ち、作品全体を通じて一貫したテーマが流れているのが印象的です。

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