ルパン三世 THE FIRST

映画『ルパン三世 THE FIRST』の概要

『ルパン三世 THE FIRST』（英：Lupin III: The First）は、2019年12月6日に公開された、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』の劇場映画第10作目として位置付けられています。監督は山崎貴が務め、本作はシリーズ初のフル3DCGアニメーション作品として製作されました。キャッチコピーには「さぁ、はじめようぜ。」「すべてを盗め。」と掲げられています。

企画の背景と意義

本作は海外展開を視野に入れて企画されており、原作者モンキー・パンチの念願でもあった3DCG化の試みが実現しました。彼は、作品の公開前に「新しい感覚がいっぱい詰まったルパンになりそうで、今からワクワクしています」と語っていました。しかし、残念ながらパンチは2019年4月に逝去し、彼の意思を受け継いだ形で本作が完成を迎えました。作品の全てが終わった後には、パンチの言葉がクレジットとして追悼されました。

劇場版の位置づけ

本作の公開は、単独の劇場版としては1996年の『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』以来23年ぶりであり、特に『名探偵コナン』とのコラボ映画『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』の公開からは6年の間が空いていました。これにより、ルパン三世の関連作品としては特に注目されています。

あらすじ

物語は、ルパン一世が未だ盗み出せなかった「ブレッソン・ダイアリー」なる伝説のお宝を巡って展開されます。物語の舞台は1960年代後半で、監督の山崎はこの時代設定がルパン本来のロマンを引き出せると考えています。また、過去作へのオマージュが多く含まれており、ルパンの個性的な装いもその時代を反映したものとなっています。

物語が始まるのは、第二次世界大戦中のフランス。考古学者ブレッソン教授が遺した日記とブローチに秘められた謎を解くために、ルパンたちが動き出します。物語は、ルパンの仲間たちや敵との攻防戦を描きながら、エクリプスと呼ばれるお treasure への道を探ります。エクリプスは、マイクロブラックホールを発生させる能力を持つ兵器であり、その力を巡って様々な思惑が交錯していきます。

キャラクター

主なキャラクターとして、ルパン三世の孫であるルパン、射撃の名手である次元大介、剣術の達人の石川五ェ門、妖艶な女泥棒・峰不二子、そしてルパンの追っ手である銭形警部などが登場します。特に、本作のヒロインであるレティシアは、ブレッソンの孫であり、物語に大きく関与する重要なキャラクターです。

製作とスタッフの意気込み

監督の山崎貴は、自身の愛作である『ルパン三世 カリオストロの城』の影響を強く受けていると漏らしており、作品の色彩はバンド・デシネを意識したものだとしています。音楽面には、過去の作品にも携わっていた大野雄二が参加し、劇場版向けにゴージャス感を引き立てていると述べています。また、プレスコ方式を採用することで、キャラクターの台詞とCGアニメの製作が一体化されるよう工夫されています。

評価と反響

公開後の評価は分かれています。デザインやアニメーション技術については高評価を得る一方で、ストーリーに関しては意図的にインパクトを控えた結果、平凡な印象を持たれる意見もあります。とはいえ、ルパン三世というキャラクターの魅力を再認識させる作品として、多くのファンから支持を得ています。

本作は、原作者モンキー・パンチの意志を受け継ぎながらも、全く新しいスタイルで冒険を描く試みがなされた記念すべき映画であり、今後のルパン三世作品における新たな可能性を示しています。

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