ルリー・ベル

ルリー・ベル：シカゴ・ブルースの血統を受け継ぐギタリスト

ルリー・ベル（Lurrie Bell, 1958年12月13日生まれ）は、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ出身のブルースギタリスト、そしてシンガーです。彼の音楽キャリアは、幼少期からブルースに囲まれた環境で育ったことに深く根ざしています。父親は、ハーピストとして名を馳せたキャリー・ベルであり、ルリーは父親の背中を見て育ちました。

若き才能の開花とシカゴ・ブルースシーンでの活躍

10代の頃からルリー・ベルは、父親であるキャリー・ベルをはじめ、エディ・クリアウォーター、ビッグ・ウォルター・ホートンといった、シカゴのブルースシーンを代表するアーティストたちとの共演を通じて、そのギタリストとしての腕を磨きました。彼らの演奏を間近で学び、ブルースの奥深さを体感することで、若くして独自のスタイルを確立していきました。

70年代後半には、ビリー・ブランチらと共にサンズ・オヴ・ブルースを結成し、バンドの中心メンバーとして活躍します。1978年には、アリゲーター・レコードの編集盤「Living Chicago Blues Vol. 3」に彼らのトラックが3曲収録され、その才能は広く知られるようになりました。

1982年には初来日を果たし、小出斉（ギター）ら日本のミュージシャンをバックに演奏を披露しました。この時の模様は、「The Blues Caravan Live At Pit Inn 1982」としてCD化され、日本のブルースファンにとっても貴重な記録となっています。サンズ・オヴ・ブルース脱退後は、ココ・テイラーのバンド、ブルース・マシンのギタリストも務め、その幅広い音楽性を発揮しました。

1989年には、初のソロアルバム「Everybody Wants To Win」をリリースし、ソロアーティストとしてのキャリアを本格的にスタートさせます。

苦難の時代と復活

早くから周囲のミュージシャン達にその才能を認められていたルリー・ベルでしたが、90年代に入ると麻薬中毒に苦しみ、ブッキングされたギグに現れないなどの問題行動が目立つようになります。結果的に、彼は一時的に演奏活動から遠ざかることとなりました。しかし、1995年にデルマークから久々のアルバム「Mercurial Son」をリリースし、以後もコンスタントに作品を発表することで、徐々に演奏活動に復帰していきました。

2007年7月には、ジャパン・ブルース&ソウル・カーニバルで、エディ・テイラー・Jr.を含むバンドを率いて、実に25年ぶりとなる来日公演を行い、日本のファンを熱狂させました。

彼の名前は、「ルリー」が発音的には近いとされていますが、「ローリー」と表記されることもあります。

ディスコグラフィー

1989年 Everybody Wants To Win (JSP)
1995年 Mercurial Son (Delmark)
1997年 700 Blues (Delmark)
1997年 Young Man's Blues (JSP)
1998年 Kiss Of Sweet Blues (Delmark)
1998年 The Blues Caravan Live At Pit Inn 1982 (P-Vine)
1998年 Chicago's Hottest Guitars: Chicago Blues Session, Vol. 25 (Wolf) with Phil Guy
1999年 Blues Had A Baby (Delmark)
2001年 Cutting Heads (Vypyr)
2004年 Second Nature (Alligator) with Carey Bell (1991年録音)
2007年 Gettin' Up, Live at Buddy Guy's Legends, Rosa's and Lurrie's Home (Delmark) with Carey Bell ※CDとDVD
2007年 Let's Talk About Love (Aria B.G./P-Vine)

外部リンク

* 公式サイト （英語）

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