ルンバ

ルンバ（Rumba）についての詳細

ルンバ（Rumba）は、キューバのアフリカ系住民の間から生まれたラテン音楽であり、リズムやダンスのスタイルでもあります。広く知られているルンバは1930年代に、キューバのソンと呼ばれる音楽がアメリカを通じて「ルンバ（Rhumba）」という名称で紹介されたことに由来しています。これにより、世界的なルンバブームが起こり、社交ダンスやムード音楽として独自の進化を遂げました。

ルーツ・ミュージックとしてのルンバ

ルンバは、主にキューバのハバナとマタンサスで生まれ、アフリカ系の人々によって育まれました。奴隷としてキューバに連れて来られた彼らが創り出した音楽と踊りは、ボーカルとコーラスによるコール・アンド・レスポンス、そして多様なパーカッションリズムから成っています。これは、スペインの伝統的な十行詩の形式と、黒人音楽のリズムが融合した混血音楽でもあります。

ルンバには、テンポの違いによってコルンビア、グァグァンコー、ヤンブーの三つのスタイルがあります。コルンビアは最も速いリズムで、男性が中心となるダンス音楽です。グァグァンコーは標準的なリズムで、男女ペアが恋の駆け引きをテーマに踊ります。一方、ヤンブーは最も遅いリズムで、祭りの前に歌われる音楽です。

重要なリズム要素であるクラーベ（Clave）は、2-3または3-2のビートで成り立つ、ラテン音楽の基盤とも言える構成です。このようにして、キューバのルンバは「アフロ・キューバンダンス」としても認識されるようになっています。キューバ政府は、国営のダンス学校や舞踊団を通じて外国人の留学生や観光客を受け入れ、ダンスと音楽を文化資源として積極的に促進しています。ただし、近年ではルンバが劇場やスタジオの舞台に移行することで、即興性が失われ、洗練された形に定型化されていく傾向にあります。このことで、ルンバの持つエネルギーは維持されているものの、下層階級の文化のアイデンティティが失われつつあるのも実情です。2016年には、ルンバがユネスコの無形文化遺産に登録されました。

欧米でのルンバ（Rhumba）

欧米で「ルンバ」として知られる音楽は、実際にはキューバのソンの一部で、ドン・アスピアス楽団の「エル・マニセーロ（南京豆売り）」などがアメリカでヒットし、その際に「ルンバ」として表記されました。このことから、欧米では「キューバ音楽＝ルンバ」としての認識が広まり、用語が混乱してしまいました。現在、多くの場合で「Rumba」と表記されますが、その意味は文脈によって異なるため、注意が必要です。

社交ダンスとしてのルンバ

1940年代後半、キューバで生まれたダンスが西洋のダンス界に取り入れられ、独自の解釈によって社交ダンスとして確立されました。1955年には競技ダンスの正式種目として認知され、滑らかでゆったりとした動きが特徴です。当時、2つの流派が存在し、リズムの取り方について大きな論争が起きましたが、1962年には英国教師協会がキューバン・ルンバを基礎とすることを公式に発表しました。これにより、社交ダンスでルンバといえば一般的にキューバン・ルンバを指すようになったのです。

このように、ルンバはその歴史や影響を通じて、多くの人々に愛され続けている音楽です。

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