ル・ペルテュ

ル・ペルテュ（Le Perthus）は、フランスのオクシタニー地域圏、ピレネー＝オリアンタル県に位置するコミューンであり、スペインとの国境にまたがるという特異な地理的特徴を持っています。

概要

ル・ペルテュの市街地は、フランスとスペインの国境を跨いでおり、コンテス谷と国道9号線沿いの2つの地区に分かれています。村の北部と西部はフランス領、東部はスペイン領となっており、フランス側の方が人口が多い傾向にあります。この村には、フランス語とカタルーニャ語の二言語教育を行う学校があり、両国の子供たちが共に学んでいます。

観光シーズンには、商店街には1日に平均7万人もの訪問者が訪れ、賑わいを見せています。しかし、その喧騒とは対照的に、元々は静かな村でした。

観光面では、国境に近いだけでなく、ベルガルド要塞やポンペイウスが建てたパニサールのトロフィーといった歴史的に重要な場所にも近接しているという利点があります。村の目抜き通りには、フランスとスペインの国境を示す国境標が設置されており、観光客の目を引いています。

由来

ル・ペルテュという村の名前は、1836年に村のある峠の名前にちなんで名付けられました。この峠は古代から知られていましたが、14世紀頃からクリューズの村との関連で言及されるようになりました。

地理

ル・ペルテュは、フランスとスペインを隔てる峠の南側に位置しています。峠には、両国間の往来を管理するベルガルド要塞（フランス領）があり、国境を共有しています。

歴史

初期のル・ペルテュは、税関の小屋が集まった集落でした。1836年にコミューンとなり、クリューズやアルベールも含まれていました。その後、1851年にこれらのコミューンが分離し、3つのコミューンを基礎として新たな行政区画が行われ、現在のル・ペルテュが形成されました。

1939年のスペイン内戦時には、ル・ペルテュは難民が大量に脱出する場所となりました。1950年代以降は、フランスとスペイン間の重要な通過地点となり、国境の南側にあるラ・ジョンケーラと同様に、大規模な商業の村として発展しました。

2012年7月22日には、峠とベルガルド要塞南側部分のコミューン内で大規模な火災が発生し、一時的にフランスとスペインの国境が閉鎖される事態となりました。

ル・ペルテュは、国境の村として、歴史、文化、経済など、様々な側面でフランスとスペインの結びつきを象徴する場所と言えるでしょう。

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