ル・モンド・イリュストレ

ル・モンド・イリュストレの概要

『ル・モンド・イリュストレ』は、1857年に創刊されたフランス発の週刊ニュース誌で、イラストが豊富な内容が特徴です。この雑誌は、1940年までと1945年から1956年にかけて二期にわたって発行されました。特に、国際的で保守的な立場を取っていたことが特徴的で、創刊当初から多くの著名な文筆家や画家たちが参加していました。

創設と初期の歴史

『ル・モンド・イリュストレ』は、1857年4月18日にジャーナリストのアシル・ブーディリエによって始められました。ブーディリエは、パリのリブレリー・ヌーヴェルで出版を手がけ、ブレダ通りに印刷所を構設しました。この初期の号は、イタリア出身の画家エルキュール・ルイ・カテナッチによる魅力的なヘッダーイラストが飾られていました。

創刊時には、ページ全体にわたる挿絵と見開きイラストで構成され、価格は30サンチームと、競合の『イリュストラシオン』の半分程度でした。そのため、多くの読者を惹きつける要因となりました。また、ナポレオン3世からは王室への忠誠を理由に印紙税の免除を受け、経済的な利点も享受しました。執筆陣には、シャルル・モンセイユ、オノレ・ド・バルザック、ジョルジュ・サンドなど、多彩な文才を持つ著者が名を連ねました。

編集長の変遷と影響

1860年には印刷所が考古学者のオーギュスト・ヴァレに売却され、その翌年からシャルル・イリアルテが新しい編集長として就任しました。イリアルテは、多くの優れた記者や画家を採用し、作品の品質を向上させようと努力しました。しかし、イラストを大量に使用する方針は時には非難も受けました。さらに、1866年には発行部数が33,000に達し、法律書専門の出版社であるポール・ダローズの傘下に入ることになりました。

イラストとデザインの変遷

1892年には、エドゥアール・デフォッセが取締役に就任し、価格は50サンチームに引き上げられるとともに、彼の友人であるギ・ド・モーパッサンの作品が一面に載せられました。その後、1900年には誌面がアール・ヌーヴォー調に刷新され、多色印刷が導入されて、フランスの芸術や文化関連の内容が特集されるようになりました。

戦争と再興

第一次世界大戦中には風刺画の連載も行われるなど、常に社会情勢に敏感な姿勢を維持しました。1930年代初頭には編集長にピエール・モルティエが就任し、1938年には『ル・ミロワール・デュ・モンド』との合併により、誌名が変更されました。1940年には一時休刊となるも、1945年に再び発行され、新たなスタートを切ります。この時、解放されたベルゲン・ベルゼン強制収容所に関する特集もなされ、社会の変化に合わせた内容を届けました。

合併と最終的な変化

1948年には『イリュストラシオン』と合併し、更に1956年には「ヌーヴォー・フェミナ」との合併が行われ、最終的に雑誌は「フェミナ / イリュストラシオン」と名を改めました。これにより、長い歴史を持つ『ル・モンド・イリュストレ』は、その形を変えて新たな時代を迎えました。

『ル・モンド・イリュストレ』は、そのユニークな視点や質の高いイラストによって、フランスの出版界において重要な役割を果たし続けた雑誌であり、今日でもその影響を感じさせる存在です。

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