ルートランサー

ルートランサー

『ルートランサー』は、メディアワークス刊・電撃PCエンジン（現・電撃G's magazine）にて1994年1月号から11月号まで隔月で連載された読者参加型ゲームです。同誌の読者参加企画としては珍しく、本格的なファンタジー世界を舞台にした作品として人気を博しました。

概要

同時期に連載されていた他の読者参加型企画とは異なり、参加者同士の直接的な対戦要素はありません。プレイヤーはそれぞれのキャラクターとして、パレディア大陸の北西に位置するアルバデリア島のリルメルの村を拠点に、様々な事件の解決を目指します。成績上位を目指して競いますが、他の参加者と直接戦うことはありません。各プレイヤーには、それぞれが主人公となる独立した世界が与えられているような形式でゲームは進行します。

作品の世界観をより深く理解するため、騎士を目指す青年リゲルと、彼にどこからともなく付いてきた大食いの少女カムナを中心としたショートコミックが掲載されていました。ただし、これは「オフィシャルストーリー」という位置づけではなく、あくまで世界観を掴むための例示として提供されていました。

冒険者たちが集う「友との誓い亭」の看板娘メリンダと、領主の娘リーナがゲームの案内役を務め、プレイヤーをサポートしました。

ゲームシステム

ゲーム開始時、プレイヤーはまず「大地母神アーミス」「闘神クルザ」「愛と美の女神スフラ」「見識と好奇の神ミルミル」と呼ばれる四柱神の中から信仰対象を選びます。無宗教を選択することも可能です。

次に、戦士・魔法使い・僧侶・レンジャー・吟遊詩人の中から職業を決定します。各職業には、体力・知力・精神力・素早さ・魅力といった能力値が設定されており、プレイヤーはボーナスポイントをこれらの能力に割り振ることで、独自のキャラクターを育成します。

各回ごとに異なるNPC（ノンプレイヤーキャラクター）が登場し、プレイヤーは彼らを冒険に連れて行くことができます。NPCは事件解決の際に協力してくれる頼もしい存在ですが、人数が増えると移動速度が低下するというデメリットも存在します。

プレイヤーは地図上に示されたルートを辿りながら、怪しい場所の調査や盗品の奪還といった様々な事件を解決していきます。各事件には、キャラクターの能力に応じて解決に必要な時間（ターン）が設定されており、より少ないターン数でルートを攻略することが目標となります。

成績上位者には、カムナのフィギュアなどの豪華な景品が贈られました。さらに、第1位のプレイヤーはリルメル村の住人としてゲーム内で家を建てることができました。

スタッフ

• - 原案：林田ゆり
• - ゲームマスター：林田淳
• - イラスト：近永早苗（扉）、十羽織羽磨（本文）
• - システムプログラム：三茶ソフト
• - ヘルパー：なるみたかし、三ツ木太平

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