ルーマニア学士院

ルーマニア学士院（ルーマニア語: Academia Română）は、ルーマニアの首都ブカレストに位置する、国内で最も権威ある学術機関です。その起源は1866年4月1日に、ルーマニア語文学と政治の指導者であったC・A・ロセッティによって設立されたルーマニア文学協会（Societatea Literară Română）に遡ります。

設立当初は文学協会としてスタートしましたが、その活動範囲はすぐに拡大し、1867年にはルーマニア学術協会（Societatea Academică Romînă）へと改名されました。さらに、1879年にはカロル1世国王の時代に、現在のルーマニア学士院（Academia Română）という名称に変更され、その地位を確立しました。

ルーマニア学士院の主な活動目的は、ルーマニアの文化と科学の発展に貢献することです。具体的には、以下の3つの分野に重点を置いて活動しています。

1. ルーマニア語とルーマニア文学の発展: ルーマニア語の शुद्ध化と標準化、文学作品の奨励、そしてルーマニア文化の国際的な普及を目的としています。
2. ルーマニアのナショナル・ヒストリーの研究: ルーマニアの歴史に関する研究を推進し、その成果を広く社会に還元することを目指しています。
3. 科学研究: 数学、物理学、化学、生物学などの基礎科学から、工学、医学などの応用科学まで、幅広い分野の研究を支援し、科学技術の発展に貢献しています。

特に重要な活動の一つとして、最も権威のあるルーマニア語辞書「Dicționarul explicativ al limbii române」、通称「DEX」の編纂と出版が挙げられます。この辞書は、ルーマニア語の語彙、文法、用法に関する詳細な情報を提供し、ルーマニア語を学ぶすべての人々にとって不可欠なツールとなっています。また、ルーマニア文学やルーマニア史に関する書籍や論文の出版も積極的に行っており、ルーマニアの知識と文化の普及に大きく貢献しています。

ルーマニア学士院は、ルーマニアの知的財産の中核として、その歴史と文化を尊重し、未来へと繋げる重要な役割を担っています。ルーマニア科学アカデミーとは別の組織です。

もう一度検索