ルームメイト2

『ルームメイト2』

2005年に製作されたアメリカ合衆国のサスペンス映画『ルームメイト2』（原題：Single White Female 2: The Psycho）は、1992年のヒット作『ルームメイト』の続編として位置づけられている作品である。前作が劇場公開されたのに対し、本作は主にビデオソフトとして発表されたオリジナルビデオ作品であり、米国では劇場での上映は行われなかった。

物語の始まり

物語は、ニューヨークの広告代理店で働くキャリアウーマン、ホリーを中心に展開する。彼女は仕事で成功を収めたいという強い願望を持ち、職場の同僚であるジャンとアパートをシェアしながら暮らしていた。しかし、二人は単なるルームメイトというだけでなく、会社での昇進を巡って競い合うライバル関係でもあった。

そんな中、ホリーとジャンは共同で、新規オープンするレストランのプロモーションという重要なプロジェクトを任されることになる。このレストランのオーナーは、偶然にもホリーが交際している恋人、デビッドだった。この状況は、ホリーにとって昇進を確実にする絶好の機会に思われた。

裏切りと新たな出会い

ホリーにとって有利な状況を知ったジャンは、昇進への強い執着心から、卑劣な手段に訴える。ジャンはホリーの恋人であるデビッドを誘惑し、関係を持ってしまう。この裏切り行為を知ったホリーは深い傷を負い、ジャンとの共同生活を続けることが不可能だと判断し、新しい住まいを探し始める。

転居先を探す中で、彼女はルームメイトを探していた看護師のテスと出会う。テスの地味で控えめながらも優しい人柄に触れ、ホリーは彼女の部屋への転居を決める。新しい環境で、ホリーはテスとの共同生活を始めることとなる。

ルームメイトの変貌

新しい生活の中で、ホリーとテスは次第に親しくなっていく。同時に、自身の裏切りを悔いたデビッドは、ホリーにレストランの宣伝担当を単独で任せることを決め、二人の関係も修復へと向かい始める。

しかし、ホリーとの親交が深まるにつれて、テスに異変が見られ始める。テスはホリーの髪の色や服装、さらには話し方まで、全てを模倣するようになる。この単なる真似事と思われた行動は、やがてテスの隠された一面、そして危険な本性を明らかにしていく。

隠された本性と事件の発生

テスは表向きは地味な看護師であったが、その内面には歪んだ価値観が潜んでいた。彼女は、愛する者が苦しむ姿を見るに耐えず、その苦しみから解放するという名目で安楽死させるという行為を繰り返してきた過去を持っていたのだ。ホリーからジャンの裏切りを聞かされたテスは、ホリーへの病的な愛情や依存から、ジャンを殺害してしまう。さらに、ホリーにとって大切な存在である恋人、デビッドにもその魔の手を伸ばし、デビッドはテスによって殺害されかけ、意識不明の重体で病院に運ばれる。

テスにとっての究極的な愛情表現は、愛する女性を自らの手で殺害し、その後自身も命を絶つという共依存的な行為だった。しかし、過去には親友を手にかけたものの、自らは死ぬことができず、新たな「親友」を求めて生き続けてきたという、テスの孤独で病んだ背景が明らかになる。

クライマックス、そして残された影

テスの異常な執着と暴力は、遂にホリー自身にも向けられる。ホリーは命の危機に晒されるが、必死に抵抗し、反撃へと転じる。激しい攻防の末、ホリーはテスを射殺し、自らの命を守り抜くことに成功する。

テスは死亡するが、彼女の強烈な個性と歪んだ思想は、ホリーの心に深い影響を残したようだった。愛する者を殺すというテスの極端な考え方は、ホリーの精神にも影を落とし、物語は観る者に後味の悪さと共に、その後のホリーの行く末を示唆して幕を閉じる。

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