ルーム (映画)

映画『ルーム』解説

『ルーム』（Room）は、2015年に製作されたドラマ映画。エマ・ドナヒューの小説『部屋』を原作とし、レニー・エイブラハムソンが監督を務めました。主演はブリー・ラーソン。本作は、第40回トロント国際映画祭で観客賞を受賞するなど、批評家・観客の双方から高い評価を得ています。

あらすじ

5歳の誕生日を迎えたジャックは、母親のジョイと共に「部屋」と呼ばれる狭い空間で暮らしていました。そこは、ジョイが7年前に誘拐されて以来、監禁されている場所でした。ジャックは、外の世界を知らず、「部屋」が世界のすべてだと信じて育ちます。

ある日、ジョイはジャックに、自分たちが監禁されていること、そして「部屋」の外には本当の世界があることを打ち明けます。ジョイは脱出を決意し、ジャックに死んだふりをさせて「部屋」から運び出してもらう計画を立てます。

決死の覚悟で計画を実行に移し、ジャックは外の世界へと足を踏み入れます。偶然出会った男性に助けを求め、警察に通報してもらったことで、ジャックは無事保護されます。警察はジャックの証言から監禁場所を特定し、ジョイも救出されます。

しかし、7年間の監禁生活はジョイの心に深い傷跡を残していました。実家に戻り、両親や親族との生活を始めますが、ジョイは社会との隔絶感やマスコミの過剰な報道に苦しみます。そして、ついに自殺未遂を起こしてしまうのです。

ジャックは、母親を元気づけるために自分の髪を切り、ジョイに贈ります。ジャックの優しさに触れたジョイは、次第に元気を取り戻し、新たな生活を歩み始めます。そして、ジャックと共に、かつて監禁されていた「部屋」を訪れるのです。

キャスト

ジョイ・ニューサム（ママ）：ブリー・ラーソン
ジャック：ジェイコブ・トレンブレイ
ナンシー（ばあば）：ジョアン・アレン
オールド・ニック：ショーン・ブリジャース
ロバート（じいじ）：ウィリアム・H・メイシー

スタッフ

監督：レニー・アブラハムソン
原作：エマ・ドナヒュー
脚本：エマ・ドナヒュー

評価

映画『ルーム』は、批評家・観客から絶賛され、数々の賞を受賞しました。ブリー・ラーソンの演技、ジェイコブ・トレンブレイの名演、そして感動的なストーリーが、多くの人々の心を捉えました。

テーマ

本作は、親子の愛情、希望、そして心の傷からの再生という普遍的なテーマを描いています。閉鎖された空間で育った少年が、外の世界を知り、成長していく姿を通して、人間の強さや優しさを描いています。

備考

フリッツル事件を基に書かれたエマ・ドナヒューの小説『部屋』が原作となっています。

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