ルーラ (デュオ)

ルーラ：ゲーム音楽を彩った女性アイドルデュオ

1990年代、日本の音楽シーンに独特の存在感を示した女性アイドルデュオがいました。その名もルーラ。彼女たちは、数多くのファンを魅了する人気ゲームシリーズ『ドラゴンクエスト』の楽曲を歌い、多くのリスナーの心を掴みました。

ルーラは、志村真澄さんと伊藤真由美さんの2人によって結成されました。グループ名は、お馴染みの『ドラゴンクエスト』シリーズにおける移動呪文「ルーラ」から取られています。この命名からも、彼女たちがゲーム音楽と深い関わりを持つことを示唆しています。

志村真澄さんは東京都出身、伊藤真由美さんは福島県出身で、異なる地域から集まった2人が織りなすハーモニーは、多くのファンを惹きつけました。

彼女たちは、1993年にシングル「結婚ワルツ」でデビュー。すぎやまこういち氏作曲による、誰もが知る『ドラゴンクエスト』シリーズを代表する名曲を、アイドルソングとして新たにアレンジし、発表しました。この楽曲は、ゲームの世界観とアイドルポップスの融合という、当時としては斬新な試みとして注目を集め、話題を呼びました。

続く1993年5月には、アルバム『ドラゴンクエストのうた～ベスト・ソング・セレクション』をリリース。このアルバムには、「結婚ワルツ」を始めとした『ドラゴンクエスト』シリーズの楽曲の数々が収録されており、シリーズファンのみならず、多くのリスナーに愛される作品となりました。収録されている楽曲は、シリーズを通して人気のあるものが選ばれており、ゲームをプレイしたことがある人にとっては、懐かしさと共に新たな感動を与えてくれる、そんなアルバムに仕上がっています。

アルバムには、シリーズの各作品を代表する楽曲が収録されており、それぞれの楽曲は、ゲームの世界観を見事に表現しています。「序曲」から始まり、「結婚ワルツ」、「街」、「もうひとつの名前（元々は「哀愁物語」）」、「薔薇ふる空（元々は「Love Song 探して」）」、「海の子守歌（元々は「海を越えて」）」、「町の人々」、「この道わが旅」そして「結婚ワルツ（エピローグ）」と、まるでゲームをプレイしているかのような構成になっています。

特に、ゲーム中のBGMとしてお馴染みの楽曲が、彼女たちの歌声によって新たな魅力を放ち、多くのファンを虜にしました。

ルーラは、シングルとアルバムをそれぞれ1枚発表した後、活動を休止しました。しかし、彼女たちが歌った『ドラゴンクエスト』の楽曲は、現在でも多くのファンに愛され続けており、ゲーム音楽史に重要な1ページを刻んだ存在として、記憶されています。彼女たちの活動は、ゲーム音楽とアイドルという異色の組み合わせによる成功例として、音楽史に刻まれたと言えるでしょう。

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