レアリア

レアリア

雪乃紗衣による小説『レアリア』は、雪広うたこのイラストを添え、新潮文庫nexから刊行されたファンタジー作品です。帝国暦・金糸雀37年を舞台に、過去の出来事を織り交ぜながら、物語は複雑に展開していきます。

世界観

長年対立する西の帝国（シャルムラグリア）と東のアリュージャ王朝。帝国の軍事を担う魔女家は、両国の和平を願い、休戦協定を結んできました。しかし、その協定の期限が翌年に迫り、新たな局面を迎えようとしています。

登場人物の出自は、髪や目の色によって示されるのが特徴です。例えば、魔女は白銀の髪と藤色の目を持ち、ラグリア兄王家出身者は金髪碧眼といった具合です。登場人物のフルネームは、物語が進むにつれて徐々に明かされていきます。

あらすじ

金糸雀24年、魔女家のミルゼリスは、第一皇子エリファズを追って“魔王の森”へ。そこで、白銀の髪と藤色の目を持つ幼い少女ミレディアを発見します。ミレディアは、総帥オレンディアの下で戦場を転々としながら成長していきます。

金糸雀37年、オレンディアは皇帝選の開催を知らされます。開戦派が勢いを増す中、魔女家はミレディアをアリュージャ王朝との休戦協定延長交渉に向かわせます。帝都ストラディカへ向かうミレディアは、様々な妨害に遭いながらも、宰相会議の場へとたどり着きます。しかし、皇帝ユーディアスによって休戦協定延長案は破棄され、事態は思わぬ方向へと進んでいきます。

登場人物

魔女家

ミレディア: 白銀の髪と藤色の目を持つ少女。幼い頃に“魔王の森”でミルゼリスに拾われ、魔女家の軍師として育てられました。
オレンディア: 魔女家当主で、元帝国軍総帥。“心のない魔女”と呼ばれています。アリュージャ王朝との和平を強く願っています。
ミルゼリス: オレンディアの義弟で、魔女家次期当主。帝国副外務卿を務めています。

帝国

アリル: 黒髪と藍色の目を持つ少年。特殊な力を持つ「銀の腕輪」を身に着けています。
ユーディアス: 現皇帝。卓越した頭脳を持つものの、怠惰な面も持ち合わせています。
カイ: ユーディアスの弟で、ラグリア兄王家当主。軍務卿を務めています。

王朝

アリュージャ: 王朝皇帝。ユーディアスとは同い年です。かつてオレンディア、ユーディアスと共に“巻き貝城”にいました。
アイゼン: 第十三皇子。ミレディアに命を救われた過去を持ちます。リリを後見に持つ。

グランゼリア戦

物語の中核となる戦いの一つ。多くの人物がこの戦いに参加し、命を落としました。戦局は複雑に絡み合い、登場人物たちの運命を大きく左右していきます。

その他

作品には、魔術や異界といった要素も登場し、物語に深みを与えています。また、細部にまでこだわった世界観や、個性豊かなキャラクターたちが、読者を魅了します。

『レアリア』は、ファンタジー好きにはたまらない、読み応えのある作品です。

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