レイニング

レイニング競技について

レイニング（Reining）はウエスタン馬術における独特な競技であり、主に馬場での運動能力を競います。この競技は、ブリティッシュ馬術の馬場馬術と類似した要素を持っていますが、それ自身の特性を有しています。

概要

レイニングでは、参加者は駈歩やギャロップにおいて、大小のサークルやリードチェンジ、スライディングストップ、ロールバック、スピン、バックアップといった一連の動作を示す必要があります。これらの技術的なマヌーバは、決められたパターンに従って順序づけられています。加えて、音楽に合わせた自由演技（フリースタイル）もあり、これは馬場馬術の自由演技（キュア）に相当します。

競技には、人馬ともにリラックスしていることが求められますが、馬の挙動は緻密にコントロールされていることが基本です。優れたレイニングホースは、指示に抵抗することなく、積極的にガイドに従うことが理想とされます。この点は馬場馬術と共通していますが、レイニングでは馬に自然なバランスを取らせるために、頭頸を伸ばし、レイン（手綱）をゆるめることが特徴です。この点において、馬場馬術は手綱を軽く張り、馬の姿勢をしっかりと保つことが求められます。

競技会の雰囲気は非常に賑やかで、観客からの応援が選手たちの背中を押します。競技者はウエスタンスタイルの服装を着ることが求められ、具体的にはウエスタンハットや襟付きの長袖シャツ、ウエスタンブーツが必要です。また、チャップスを着用することも一般的です。レイニングでは、各チームは70ポイントの基準から始まり、各運動の出来栄えによってポイントが加算または減点されます。

このレイニング競技は、歴史を持ちながら特有の発展を遂げてきました。1949年にはアメリカクォーターホース協会（AQHA）によって正式な馬術競技として認知されるようになり、その後1966年にナショナルレイニングホース協会（NRHA）も設立され、競技の運営が行われています。2000年には国際馬術連盟（FEI）によって国際的な競技種目として採用され、2002年からは世界馬術選手権の正式種目としても位置づけられました。その結果、さまざまな国での大会の開催が実現し、アメリカやカナダのみならず、ヨーロッパや南米といった地域でも広がりを見せています。

マヌーバの種類

レイニング競技のパターンは、国際基準として10種類が設定されており、これらは7から8種類のマヌーバで構成されます。以下は代表的なマヌーバです。

• - スライディングストップ: 速い駈歩から後肢だけで停止します。馬は大きく後肢を踏み込むことで滑らかに止まる必要があります。
• - スピン: 後肢を基点にして回転する動作であり、スムーズさと速さが要求されます。
• - サークル: 大きなサークルと小さなサークルを組み合わせて移動します。
• - リードチェンジ: 駈歩の最中に左右の脚の足の踏み方を変える技術です。
• - バックアップ: 常歩から後退する動作で、スムーズさが求められます。
• - ロールバック: 180度の方向転換を行い、滑らかな動作が重要です。
• - ヘジテイト: 停止して静止状態を維持し、馬の従順さを見せることが求められる動作です。

レイニングは、馬術の素晴らしさを体現する競技であり、参加者にとっても観客にとっても見応えのあるスポーツです。

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