レオポルド (オールバニ公)

オールバニ公爵レオポルド王子について

生い立ちと教育

オールバニ公爵レオポルド王子（1853年4月7日 - 1884年3月28日）は、イギリスのヴィクトリア女王と彼女の夫アルバート王の間に生まれた第8子であり四男です。両親の間の初めての血友病患者として知られ、生涯を通じて健康問題に悩まされました。彼の誕生に際し、母女王はエディンバラ大学の産科学教授ジェームズ・ヤング・シンプソンが推奨したクロロフォルムを用いた分娩法を採用しています。

レオポルドは誕生後すぐに血友病と軽度のてんかんの診断を受け、家族は彼を大切に育てました。彼の洗礼は1853年6月23日にバッキンガム宮殿内の礼拝堂で行われ、洗礼名はベルギー王レオポルド1世に因んで名付けられました。幼少期より、レオポルドは並外れた知性を示し、特に文学や哲学に対する関心が高かったことから、彼の周囲には詩人アルフレッド・テニスンや宗教哲学者ジェームズ・マーティノーとの交流がありました。1872年にはオックスフォード大学クライスト・チャーチ学寮に入学し、1876年には民法学の名誉博士号を取得して卒業しました。彼は学問だけでなく、芸術やチェスの活動にも携わり、1883年のロンドン・チェス・トーナメントの後援者としても知られています。

公務と関係

レオポルドは健康上の理由から軍人としてのキャリアを諦めたものの、王族としての役割を果たし、母女王の非公式な秘書として尽力しました。彼の人柄や知識は多くの人々に評価され、彼を中心に家庭や社会が動いていたとも言われています。また、フリーメイソンにも加入し活動を行っていた彼は、オックスフォードのアポロユニバーシティ・ロッジのマスターを務めるなど、その私生活でも多方面に影響を与えた人物でした。

1881年には公爵位を叙爵され、以後「オールバニ公爵」として知られるようになりました。彼はまた名誉職としてハイランド連隊の隊長職を務める一方で、健康上の問題から期待されたような公務には就けませんでした。王子は自身の身を守るためにも結婚を強く望んでいましたが、持病の影響から花嫁探しは一筋縄ではいきませんでした。

結婚と家庭

レオポルドは母女王の影響から抜け出すため、結婚を通じて独立を図ろうとしましたが、持病の影響で結婚相手選びは困難を極めました。女王は当初、彼に裕福な相手を提案しましたが、レオポルド自身が望んだのはアリス・リデルでした。しかし、彼の想いは実らず、結局1892年にドイツのヘレーネとの結婚式を挙げました。夫婦生活は幸福で、1883年には長女アリスが誕生しました。1884年には長男チャールズ・エドワードが生まれる予定でしたが、レオポルドの死の数ヶ月後に出産されました。

死去

1884年、レオポルドは健康上の問題でカンヌへの転地療養を勧められましたが、そこで転倒し、出血が止まらずわずか30歳の若さで命を落としました。彼の葬儀は盛大に行われ、ウィンザー城に安らかに埋葬されました。レオポルドの死後、その公爵位は長男のチャールズ・エドワードに受け継がれ、彼もまた伝統ある役職を担うこととなりました。レオポルド王子の人生は短くとも、彼の功績や家族への影響は今もなお語り継がれています。

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