レオン・ガンベッタ級装甲巡洋艦

レオン・ガンベタ級装甲巡洋艦

レオン・ガンベタ級装甲巡洋艦は、フランス海軍が開発した強化型の装甲巡洋艦であり、艦級名は著名な政治家の名に由来しています。この艦は、アミラル・オーブ級の設計を基にしており、火力が大幅にアップグレードされています。主砲は連装砲塔式に変更され、副砲も連装砲塔が多く採用されています。この結果、艦の火力は約2倍に増加し、戦闘能力を高めています。さらに、防御面ではKC装甲が使用され、水線部の装甲帯は170mmに増厚されており、耐久性も向上しています。

当時の海軍大臣であったカミーユ・ペルタンは、軍艦に名付ける際に、共和政時代の政治家や文化人の名前を重視しました。これは、保守的な王党派に対抗するための意図があったためです。海軍将校たちの保守的な傾向に対抗すべく、艦名はリベラルなアイデンティティを反映しています。

艦形

レオン・ガンベタ級の艦形は、前級のアミラル・オーブ級と同様に高い乾舷を持つ長船首楼型で、外洋での凌波性に優れています。艦の前方には19.4cm連装主砲塔が配置され、艦橋は大型化されて箱型の構造を採っています。その上には二段式の見張り所を有するミリタリー・マストがそびえ立っています。ミリタリー・マストの上段には探照灯台が設けられており、下段には4.7cm機関砲が取り付けられています。

艦橋の背後には4本の煙突が立っており、缶室はボイラー室が前後に配置される独特の構造です。このため、煙突の間には広いスペースができ、通風筒が設置されています。煙突の周囲は艦載艇置き場として利用されており、舷側には艦載艇用の揚収クレーンが片舷に8基、合計16基設けられています。艦の後方には簡素な単脚檣が立っており、こちらにも19.4cmの連装主砲塔が搭載されています。

副砲は16.3cm速射砲を用いており、18門のうち12門が連装砲塔に収められています。これらは艦の中央部の甲板上に等間隔に配置され、片舷3基ずつで計6基となります。残りの副砲は単装ケースメイトの配置で艦橋の左右と後檣の左右にそれぞれ1基ずつ計4基が配備されており、前方には最大6門、左右には最大8門を指向できる設計です。

同型艦

• - レオン・ガンベタ
• - ジュール・フェリー
• - ヴィクトル・ユゴー

この艦級はその性能と政治的背景が相まって、フランス海軍の装甲巡洋艦の中で重要な位置を占めています。技術的な革新と歴史的文脈が交差するこの艦級は、当時の海軍戦略においても重要な役割を果たしました。さらに、艦のデザインや装備は、当時の海軍力の象徴ともなっており、その影響は今もなお語り継がれています。

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