レシャード・カレッド

レシャード・カレッド：アフガニスタン系日本人医師の軌跡

レシャード・カレッド（Reshad Khaled）は、1950年にアフガニスタン王国のカンダハールで生まれた医師です。長い経歴を持ち、特にアフガニスタンへの医療支援において多大な貢献を果たしています。彼の歩みは、故郷アフガニスタンや日本の医療界において、重要な役割を果たしています。

初期の教育とキャリアのスタート

カレッドは1969年に千葉大学の留学生部に入学後、1972年に京都大学医学部へ編入しました。1976年に同大学を卒業後、主に日本各地の医療機関で経験を積みました。呼吸器科の医長として勤務した島田市民病院では、患者のために尽力し、1984年には京都大学より医学博士号を取得しました。1987年には日本に帰化し、医師としての活動を続けました。

医療法人レシャード医院の設立と地元貢献

1993年、彼は静岡県島田市に「レシャード医院」を開設し院長に就任します。この医院では、呼吸器内科や循環器内科、外科を専門とし、多くの地域住民に医療サービスを提供しています。1999年には、老人保健施設「アポロン」を設立し、その理事長として高齢者の福祉向上に尽力しました。

故郷カンダハールへの医療支援

2002年に入ると、カレッドはカンダハールの医療支援を目的とした任意団体「カレーズの会」を設立します。故郷への思いと、戦争による困難な状況にいる人々を助けたいという強い願いが、彼を動かしました。彼のこの取り組みは、2003年に社会福祉法人「島田福祉の杜」を設立することで、より広がりを見せます。また、2004年には京都大学医学部の臨床教授に就任し、次世代の医療人材育成にも寄与しました。

地域医師会での活動やその他の貢献

カレッドは2008年から2012年にかけて、島田市医師会の会長を務め、地域医療の発展に尽力しました。また、2013年にはカレーズの会を特定非営利活動法人として認証を受け、より強固な組織として活動を拡大しました。その成果として、2018年には外務大臣から表彰を受けるなど、彼の活動は国際的にも評価されています。

著作活動

医師としての活動だけでなく、カレッドは著作も手がけています。特に、『知ってほしいアフガニスタン―戦禍はなぜ止まないか』（2009年）や『最後の時を自分らしく―在宅医療ができること』（2017年）は、多くの人々にアフガニスタンの現状や在宅医療の重要性について考えるきっかけを提供しています。加えて、共著として『戦争に巻きこまれた日々を忘れない―日本とアフガニスタンの証言』（2016年）も出版されており、戦争の影響を受けた人々の声を伝えています。

結論

レシャード・カレッドは、日本とアフガニスタンの架け橋としての存在であり、医療を通じて多くの人々に希望を与え続けています。彼の活動は、医療の枠を超えて、人々の命を支える重要な使命となっているのです。

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