レジェンド・オブ・ヒーロー/中華英雄

レジェンド・オブ・ヒーロー/中華英雄：孤独の星の下に生まれた男の壮絶な運命

1999年、香港映画界に衝撃を与えたアンドリュー・ラウ監督作品『レジェンド・オブ・ヒーロー/中華英雄』。マー・ウィンシンの同名漫画を原作とする本作は、イーキン・チェン演じる主人公、華英雄の波乱に満ちた人生を描いています。

舞台は1910年代の中国。裕福な家庭に生まれた華英雄は、宿命の星「天乱孤星」の下に生まれた孤独な存在でした。師から武術の奥義を伝授された矢先、アメリカ人によって家族を惨殺されるという悲劇に見舞われます。復讐を遂げた華英雄は、故郷を離れ、アメリカへと逃れることを決意します。愛する恋人、潔瑜との別れを告げ、その夜、二人は永遠の愛を誓い合うのです。

しかし、アメリカでの生活は過酷でした。華英雄は重労働に耐えながら、故郷を離れた仲間たちと懸命に生きていきます。そんな中、潔瑜からの手紙が届き、子供を授かったことを知るのです。希望と絶望が入り混じる中、華英雄は中国系移民と白人至上主義者との間で勃発する抗争、そして自身の武術を狙う日本の忍者や侍軍団との戦いに巻き込まれていきます。

華英雄は、アメリカで新たな人生を築こうとしますが、運命の歯車は容赦なく回り続けます。愛する潔瑜が、はるばる彼のもとを訪れ、その戦いに巻き込まれ命を落とすのです。悲しみに打ちひしがれる華英雄でしたが、愛する人々の仇を討ち、この戦いに終止符を打つため、彼は再び立ち上がります。

本作は、単なるアクション映画ではありません。家族の死、愛する人の喪失、そして民族間の対立など、様々な困難に立ち向かう華英雄の姿を通して、人間の強さと悲しみ、そして希望が描かれています。イーキン・チェンの圧倒的な演技、そしてアンドリュー・ラウ監督による緻密な演出、そして、迫力あるアクションシーンは、見るものを魅了します。

華英雄の壮絶な人生、そして彼を取り巻く人々のドラマは、観る者の心に深く刻まれるでしょう。家族愛、民族愛、そして生きることの意味を問いかける、感動と興奮に満ちた作品です。

スタッフ

原作：マー・ウィンシン（馬栄成）
監督：アンドリュー・ラウ（劉偉強）
脚本：マンフレッド・ウォン
音楽：チャン・クォンウィン（陳光榮）
製作：バービー・タン、マンフレッド・ウォン
製作総指揮：レイモンド・チョウ（鄒文懐）
* 武術指導：ディオン・ラム（林迪安）

この映画は、単なる娯楽作品を超えた、人間の生き様を深く見つめることができる、忘れられない一本となるでしょう。ぜひ、劇場で、もしくは自宅で、この壮大な物語を体感してください。

もう一度検索