レジストレーション (印刷・映像)

レジストレーションとは

レジストレーション（registration）は、多色刷りの印刷物やカラー映像などにおいて、複数の要素が正確に重なり合うように調整する技術です。具体的には、カラー印刷における各色版のずれ、両面印刷における表裏のずれ、カラー映像における各色のずれなどをなくすことを指します。この調整が不完全でずれが生じている状態を、ミスレジストレーションやレジストレーションずれと呼びます。

カラー印刷におけるレジストレーション

カラー印刷では、通常、シアン（C）、マゼンタ（M）、イエロー（Y）、ブラック（K）の4色（CMYK）のインクを重ねて印刷することで、様々な色を表現します。この際、各色版が少しでもずれてしまうと、印刷物の見栄えが著しく損なわれます。そのため、各色版を正確に重ね合わせるためのレジストレーションが非常に重要になります。

具体的には、全版100%（CMYK全て100%）の色であるレジストレーションカラーを用いて、トンボや文字などのレジストレーションマークを印刷し、各色版がこのマークに正確に重なるように調整します。この調整によって、色版ごとのずれを最小限に抑え、鮮明で高品質な印刷物を実現することができます。

カラー映像におけるレジストレーション

カラーテレビ、カラーディスプレイ、カラービデオカメラなどのカラー映像機器においても、カラー印刷と同様にレジストレーションは重要な役割を果たします。これらの機器では、RGB（赤、緑、青）の3色の光を組み合わせて色を表現しますが、各色のずれは色のにじみや画質の低下を引き起こします。したがって、各色の光が正確に重なり合うように調整する必要があります。

ただし、ディスプレイの表示原理によっては、原理的に完全にミスレジストレーションをなくすことができない場合があります。例えば、液晶ディスプレイでは、画素を構成するサブピクセルの位置ずれが微細なミスレジストレーションとして残ります。このミスレジストレーションを積極的に利用した技術として、サブピクセルレンダリングがあります。これは、サブピクセルの位置を考慮して文字や画像をレンダリングすることで、解像感を向上させる技術であり、ClearTypeなどのフォントレンダリング技術に応用されています。

画像レジストレーション

異なる手段や異なる時期に撮影された複数の画像を合成する際にも、レジストレーションが必要となります。例えば、X線写真と通常の写真、空中写真と地図など、異なる性質や撮影条件の画像を合成する場合、各画像の位置や向きを正確に合わせる必要があります。画像レジストレーションは、このような画像合成を可能にするための基礎技術であり、医療画像診断、地理情報システム、画像編集など、幅広い分野で応用されています。

まとめ

レジストレーションは、印刷物や映像の品質を向上させるために不可欠な技術であり、単なるずれの補正だけでなく、サブピクセルレンダリングのような高度な技術にも応用されています。この技術を理解することで、印刷物や映像の見え方に対する理解を深めることができます。

関連項目

* トンボ (印刷))

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