レジティミスム

レジティミスムの概要

レジティミスム（フランス語: Légitimisme）は、フランスとナヴァルの王位はサリカ法に基づいて選ばれるべきだと主張する君主制支持運動です。この考え方を支持する人々は「レジティミスト」と呼ばれ、特にフランス復古王政期においては「ユルトラ王党派」として知られ、ブルボン王朝の正当な後継者を強く支持しました。歴史家ルネ・レーモンによれば、レジティミストはフランスにおける右翼の一派と位置づけられています。

レジティミスムの歴史的背景

レジティミスムは、フランス革命や共和主義、さらにはそれに結びつく思想を否定し、伝統的なカトリック教徒と深い関連を持っています。特に、1789年のフランス革命後の復古王政期（1814～1830年）では、ユルトラ党派が政治的な影響力を持ち、ルイ18世及びシャルル10世の治世において政権を握りました。ユルトラ党のメンバーは、国王の権利を守るためにアンシャン・レジーム（旧体制）への回帰を求め、自由主義や共和主義を敵視しました。

ブルボン復古王政期

1814年のブルボン復古王政以降、ユルトラ派は議会の大部分を占め、強い政治的影響を持ちました。彼らは国王の権利を強く主張し、ルイ18世の立憲君主制や君主権の制限には反対しました。政権を握ったユルトラ党は、自由主義者による圧力と妨害に直面し、1820年代には急進的な法律や、報道制限を求める主張を行いましたが最終的には国民の支持を失い、1830年の7月革命により王政は崩壊します。

7月王政とその後

7月革命後、オルレアン家のルイ・フィリップが権力を握り、レジティミストは政治の舞台から退くことになります。しかし、彼らは王位復帰を目指し、王政復古の機会を窺いました。1848年の革命後は、再度政治的存在感を示し、オルレアニストと連合して秩序党を形成しましたが、ボナパルトによるクーデターで再び排除されました。

第三共和政と動き

19世紀後半、レジティミスムは依然としてエリート層の支持を集めていましたが、次第に古参の支持者たちは政治の表舞台から姿を消していきました。ただし、アクシオン・フランセーズのような極端な勢力が台頭したことで、伝統的なレジティミストとの関係は希薄になりました。

現代のレジティミスム

第二次世界大戦後もレジティミスムは存在し続け、特にブルボン家「嫡系」による王位請求が強化されました。最近では、ルイ・アルフォンス・ド・ブルボンが王位請求者として認識され、彼を「ルイ20世」として支持する動きがあります。また、伝統的カトリック教徒や極右政党との関与は残りつつも、現在のレジティミストの見解や立場は多様化しています。政治的な参加は少ないものの、君主制支持の意識は継続して根付いており、様々な組織と連携を広げています。

結論

以上のように、レジティミスムはフランスの歴史の中で重要な役割を果たしてきた運動であり、王位請求や政治的立場を巡る対立はいまだ続いています。時代の変化とともに支持基盤も変わる中、レジティミスムが未来にどのような影響を及ぼすのか、今後の動向に注目が集まります。

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