レター・デイズ

『レター・デイズ』（原題：Latter Days）は、2003年に公開されたアメリカ合衆国のロマンスドラマ映画です。カリフォルニア州ロサンゼルスで撮影され、C・ジェイ・コックスが監督と脚本を務めました。

物語の中心人物は、ロサンゼルスのレストランで働くゲイのクリスチャンです。彼は享楽的な日々を送っており、毎晩のように男性と関係を持っていました。そんなある日、彼の隣に若い男性たちが引っ越してきます。クリスチャンは大学生グループと勘違いしますが、彼らはモルモン教の宣教師だったのです。

落胆するクリスチャンでしたが、レストランの同僚であるジュリーから、宣教師の誰か一人と関係を持てば50ドルの賭け金を貰えるという提案を受けます。クリスチャンは、宣教師の中で最も若く、純粋そうなアーロンに目をつけます。

クリスチャンは巧みにアーロンに近づき、二人は映画好きという共通点から親しくなっていきます。当初はゲーム感覚だったクリスチャンでしたが、アーロンの純粋で優しい笑顔に次第に惹かれていきます。一方、敬虔なモルモン教徒の家庭で育ったアーロンもまた、クリスチャンへの想いを募らせ、自身のセクシュアリティと宗教的信条の間で葛藤するようになります。

物語は、アーロンの世話役である宣教師ポールが出張中に事故に遭うことで大きな転換点を迎えます。その夜から、クリスチャンとアーロンの運命は大きく変わり始めます。彼らの関係は、周囲の人々の反応や、それぞれの葛藤と向き合いながら、複雑に、そして深く進んでいきます。

映画では、ウェス・ラムジーがクリスチャン役、スティーヴ・サンドヴォスがアーロン役、そしてジョセフ・ゴードン＝レヴィットがポール役を演じています。レベッカ・ジョンソンはジュリー役で出演し、その他にもメアリー・ケイ・プレイス、アンバー・ベンソン、ジャクリーン・ビセットといった俳優たちが脇役を演じています。

日本では、2006年7月15日と17日に第15回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で『ラターデイズ』というタイトルで上映されました。

『レター・デイズ』は、ゲイであるクリスチャンの享楽的な生活、そしてモルモン教徒であるアーロンの信仰と葛藤、そして二人の間の禁断の恋を通して、セクシュアリティ、宗教、そして人間の心の複雑さを繊細に描いた作品です。軽率な賭けから始まる二人の関係は、予想外の展開へと繋がり、観客の心を揺さぶる感動的な物語が展開されます。二人の関係の進展だけでなく、周りの人物たちの反応や、それぞれの心の変化も丁寧に描かれており、観る者の心に深く刻まれる作品と言えるでしょう。二人の関係の行く末、そしてそれぞれの葛藤の解決、そしてその後の未来は、観る者の心に多くの余韻を残します。

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