レッドブル・RB9

レッドブル RB9：2013年シーズンの雄姿

2013年のF1世界選手権でレッドブル・レーシングが使用したフォーミュラ1マシン、RB9。前年モデルRB8をベースに進化を遂げたこのマシンは、数々のレースでそのポテンシャルの高さを証明しました。この記事では、RB9の開発からシーズン中の活躍までを詳細に解説します。

開発とデザイン

RB9は、2013年2月3日、レッドブルの本拠地ミルトンキーンズで初公開されました。シェイクダウンは2月5日のヘレステストで行われ、その性能が早くも注目を集めました。この年から、日産自動車の海外ブランドであるインフィニティがタイトルスポンサーとなり、マシンにはインフィニティのロゴが大きく、そしてブランドイメージカラーである紫が各所に配されました。

大きなレギュレーション変更がなかった2013年シーズン、RB9は前年モデルRB8のコンセプトを継承しつつ、さらなる進化を遂げています。しかし、開発責任者であるエイドリアン・ニューウェイは、2012年シーズンのチャンピオン争いが最終戦まで縺れ込んだ影響で、RB9の開発スケジュールに制限があったことを明かしています。

この年、ノーズの段差を隠すバニティパネルの使用が認められましたが、レッドブルは重量増加を懸念し、短いパネルを採用。そのため、ノーズの段差は残された形となりました。RB8の特徴であった段差部分の空気孔（レターボックス・スロット）は廃止されましたが、代わりにザウバーC31と同様にノーズ下面から空気を吸入し、シャシー上面へ排出する通気式ノーズを採用することで、空力性能の向上を図っています。

技術仕様

RB9は、高度な技術と精密な設計によって生み出されたマシンです。以下に、その主な技術仕様を記します。

シャーシ:
シャーシ名: RB9
構造: コンポジット・モノコック構造、ルノー製V8エンジンをストレスメンバーとして搭載
ギアボックス: 縦置き7速＋リバース1速 油圧式パワーシフト＆クラッチ・オペレーション
サスペンション: アルミニウム合金製アップライト、カーボンファイバー製ダブルウィッシュボーン、プッシュロッド（フロント）/プルロッド（リヤ）式トーションバー＆アンチロールバー、マルチマチック製ダンパー
ブレーキ: ブレンボ製キャリパー、ブレンボ製カーボンファイバー製ディスクブレーキ
ホイール: O・Z製（フロント:12インチｘ13インチ/リヤ:13.7インチｘ13インチ）
タイヤ: ピレリ P Zero
エレクトロニクス: FIA（MESL）スタンダードECU
バッテリー: ブラエル製MLF1T（リチウムイオンバッテリー）

エンジン:
エンジン名: ルノーRS27-2013
気筒数・角度: V型8気筒・90度
排気量: 2,400cc
最高回転数: 18,000rpm（レギュレーションで規定）
シリンダーブロック: アルミニウム鋳造製
バルブ数: 32
重量: 95kg（レギュレーション最小重量）
燃料: トタル・グループ
潤滑油: トタル・グループ
* エンジンマネージメント: FIA（MESL製）標準コントロールユニット TAG320

シーズン成績

RB9は、その優れた性能により、2013年シーズンにおいてもレッドブル・レーシングに貢献しました。セバスチャン・ベッテルとマーク・ウェバーの両ドライバーは、数々の表彰台を獲得。激しいチャンピオン争いを繰り広げ、チームとしての成功に大きく寄与しました。具体的なレース結果については、別途資料を参照ください。しかしながら、RB9の開発、そしてその性能は、レッドブル・レーシングの成功に欠かせない要素であったことは間違いありません。

まとめ

レッドブル RB9は、F1マシンの進化における重要な1台と言えるでしょう。前年モデルの成功を基盤に、新たな技術とスポンサーシップを取り入れ、さらなる高みを目指したその挑戦は、F1の歴史に刻まれた重要な1ページです。その技術的詳細と、シーズン中の活躍は、これからもF1ファンを魅了し続けることでしょう。

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