レッドライン (ダラス高速運輸公社)

レッドライン（Red Line）

アメリカ合衆国テキサス州ダラスとその周辺地域において、ダラス高速運輸公社（Dallas Area Rapid Transit、DART）が運営する都市高速鉄道網、DARTライトレールの一系統が「レッドライン」です。この路線は、ダラスのダウンタウン地区を縦断するように通り抜け、市の北側に位置するプレイノ市と、南部のウエストモーランド駅とを結んでいます。

概要

レッドラインはDARTライトレールの初期路線として、ダラス都市圏の交通ネットワークの基盤を形成しています。DARTライトレールの歴史は、1996年4月14日にレッドラインの一部区間が開業したことから始まりました。その後、延伸が進められ、現在のプレイノ～ウエストモーランド駅間の全線が開通したのは2002年です。この路線は、ダラス市内で運行される他のライトレール系統（ブルーライン、グリーンライン、オレンジライン）と多くの区間で線路を共有しており、相互に乗り入れや乗り換えが可能な交通の要衝となっています。特にダラスの主要な交通結節点であるユニオン駅（EBJ Union Station）では、近郊都市を結ぶ通勤鉄道サービスであるトリニティ・レールウェイ・エクスプレスとの接続があり、広範囲からのアクセスを受け入れています。

運行形態としては、基本的に起点から終点まで全区間を運行する列車が多くを占めています。プレイノからウエストモーランド駅までの全線乗車にかかる所要時間は、概ね65分程度です。ただし、利用者の少ない早朝や深夜の時間帯には、一部区間のみを運転する列車も設定されています。また、特徴的な運用として、ウエストモーランド駅を深夜に出発する最終列車は、途中駅であるパール/アーツ高架橋駅（Pearl/Arts District Station）からレッドラインの線路を離れ、グリーンラインに直通運転を行い、フェアパーク駅（Fair Park Station）まで運行するという特別なルートをとります。

駅について

レッドライン沿線には、北のプレイノから南のウエストモーランド駅まで、多くの駅が設置されています。これらの駅は、単なる公共交通機関の乗降場としての機能だけでなく、芸術的な要素も取り入れられています。ダラス高速運輸公社が推進する「DART Station Art & Design Program」の一環として、各駅には個性豊かなパブリックアートが設置されているのです。駅舎の屋根やホーム周辺、さらにはトンネルの壁面など、様々な場所に絵画や彫刻、デザイン性の高い構造物が組み込まれており、駅利用者は移動中にアート作品を鑑賞する機会を得られます。これにより、駅空間は単調な場所ではなく、文化的な雰囲気を持つ魅力的な空間となっています。

レッドラインは、ダラス都市圏における主要な公共交通機関の一つとして、地域住民の通勤・通学や移動を支え、都市の発展に貢献しています。他の系統との連携や、通勤鉄道との接続により、ダラス広域圏の多様な交通ニーズに応える役割を果たしている重要なライトレール路線です。

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