レッド・グレンジ

レッド・グレンジ：NFLの礎を築いた伝説のハーフバック

レッド・グレンジ（Harold Edward "Red" Grange、1903年6月13日 - 1991年1月28日）は、アメリカンフットボール黎明期に一世を風靡した選手です。ペンシルベニア州フォークスビル出身で、ハーフバック（HB）としてその名を馳せました。彼の登場は、NFLが現在の地位を確立する上で、非常に重要な役割を果たしたと言われています。

大学時代の輝かしい活躍

1923年、グレンジは所属する大学のフットボールチームを全米選手権に導き、その卓越した才能を発揮しました。その年から3年連続でオールアメリカンに選出されるという偉業を達成し、全米規模での人気を不動のものとしました。1925年10月5日には、その人気を示す象徴として、権威ある雑誌「タイム」の表紙を飾っています。

プロ入りとリーグの分裂

大学での最後の試合を終えた1925年、グレンジはすぐにNFLのシカゴ・ベアーズと契約を結び、シーズン途中からチームに合流しました。これは、大学に籍を置きながらプロ選手としてのキャリアをスタートするという異例の事態でした。しかし、最初の契約期間が満了すると、グレンジの代理人だったC.C.パイルが彼の保有権を主張し、自身が設立したフットボールリーグ、AFLⅠのニューヨーク・ヤンキースにグレンジを移籍させてしまいます。

当時、創立7年目だったNFLは、グレンジという絶大な人気を誇る選手を失ったことで、経営危機に瀕しました。一方、新興リーグのAFLⅠも、グレンジが出場する試合以外では観客動員が伸びず、経営は苦しい状況でした。結局、AFLⅠはわずか1年で解散という結末を迎えます。グレンジを取り戻したいNFLは、ヤンキースがNFLに参入することを認め、グレンジは再びNFLの舞台に戻ることになりました。

怪我との闘いとベアーズへの復帰

NFLに復帰した1927年シーズン、グレンジは膝に深刻な怪我を負ってしまいます。さらに、所属チームも解散したため、1928年はプレーすることができませんでした。しかし、1929年、彼は古巣であるシカゴ・ベアーズに復帰し、1934年に引退するまでプレーを続けました。引退後は、3年間ベアーズでコーチを務め、チームに貢献しました。

家族

弟のガーランド・グレンジもNFL選手であり、1929年から1931年まで同じチームに所属していました。

レッド・グレンジの存在は、アメリカンフットボール界に大きな影響を与えました。彼の人気と実力は、NFLの発展を加速させ、今日の隆盛へと繋がっています。まさに、彼はNFLの歴史に名を刻む、伝説的な選手と言えるでしょう。

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