レディー・マスカレード

『レディー・マスカレード』は、さいとうちほが描く、過去の出来事に翻弄される少女の復讐劇を描いた漫画作品です。小学館の『プチコミック』にて1999年10月号から2000年5月号まで連載され、単行本全2巻と文庫版全1巻が刊行されています。

あらすじ

主人公の麻生せつなは、9歳の時に両親を事故で亡くし、その際に記憶も失ってしまいます。それから15年間、軽井沢の療養所で手伝いをしながら静かに暮らしていました。しかし、両親の死の真相を思い出せないことに苦悩する日々を送っていました。そんな中、親友の結婚式で再会した人物との出会いをきっかけに、失っていた記憶が蘇り始めます。過去の出来事が明らかになるにつれ、せつなは自らの運命に立ち向かい、復讐へと動き出します。

登場人物

麻生 せつな（あそう せつな）
24歳。9歳の時に両親を亡くし、記憶を失って以来、軽井沢の療養所で暮らしています。両親の死の真相を求めていますが、15年という長い年月が経過しており、担当医も記憶の回復を諦めかけていました。しかし、過去の記憶が蘇る際に興奮状態になると、幼児退行を引き起こすことがあります。人の体に触れることで、その人の精神状態を感じ取る特別な能力を持っています。

楠 健生（くすのき けんしょう）
カメラマン。15年前、怪我をしていたせつなを介抱した過去があります。幼い頃に両親を亡くし、14歳の時に祖父母も亡くしています。祖父母が楠の父の別荘の管理をしていた縁で、楠家の養子となりました。

楠 雅彦（くすのき まさひこ）
健生の義父で、療養所を経営する藤堂財団の実質的なオーナーです。せつなの療養所の入院費を援助しています。

九丈 麗（くじょう れい）
37歳。人気女優。華やかな世界で活躍しています。

夜久 詩朗（やく しろう）
34歳。音楽プロデューサー。麗との関係が噂されています。

十文字 彰（じゅうもんじ あきら）
45歳。裁判官。法で裁けない悪を自らの手で裁くという信念を持っています。

ジョゼ・グレアム・岡田（ジョゼ・グレアム・おかだ）
45歳。実業家。経済状況が悪化し、経営難に陥っています。

書誌情報

さいとうちほ『レディー・マスカレード』

小学館〈フラワーコミックス〉 全2巻
2000年2月26日発売、ISBN 4-09-135128-X
2000年5月26日発売、ISBN 4-09-135129-8
小学館〈小学館コミック文庫〉 全1巻
2006年7月15日発売、ISBN 4-09-191526-4


この作品は、過去の記憶と向き合い、自らの手で真実を掴み取ろうとする主人公の姿が描かれています。登場人物たちの複雑な人間関係と、張り巡らされた伏線が物語を盛り上げ、読者を最後まで飽きさせない魅力的な作品です。

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