レトロスタジオ

レトロスタジオについて

レトロスタジオ（英: Retro Studios, Inc.）は、アメリカ・テキサス州オースティンに本拠を置くゲームソフトウェア開発会社です。1998年にジェフ・スパンゲンバーグによって設立され、設立と同時に任天堂からの支援を受けました。初期の頃は、スタッフの離脱や開発プロジェクトの中止など、数々の困難に直面しました。

フェーズ1: 挫折と再起

設立当初の業績は思わしくなく、特に多くのプロジェクトが中断されるなどの苦境が続きます。しかし、任天堂がレトロスタジオを支援した結果、ストップしていた『メトロイドシリーズ』の開発復活に繋がりました。2002年には、任天堂がレトロスタジオの株式を完全に取得し、完全子会社となりました。これにより、彼らは安定した資金源を得ることができ、より自由にクリエイティブな作業に専念できるようになったのです。

特に2002年11月に発売された『メトロイドプライム』は、アメリカ市場で大ヒットを記録し、同作は様々な賞を受賞しました。この成功は、元々日本で高い人気を誇る『メトロイド』シリーズの特性を引き継ぎつつ、アメリカでは受け入れられやすいFPS（ファーストパーソンシューティング）の手法を取り入れることで実現しました。

フェーズ2: 成功と拡大

2003年3月、レトロスタジオは「ゲーム・デベロッパーズ・チョイス・アワード」において「Rookie Studio of the Year」を受賞し、さらに『メトロイドプライム』は「Game of the Year」と「Excellence in Level Design」を獲得しました。この成功の影に、任天堂のMichael Kelbaughが同年に社長に就任し、スタジオのさらなる成長が期待されました。

次に待ち受けていたのは、いくつかの困難でした。2008年には『メトロイドプライム』シリーズの3部作が完了し、多くのスタッフが会社を去ってしまいます。これはレトロスタジオにとって大きな「事件」となり、今後の方針を再考させられる契機となりました。そんな中、任天堂の宮本茂からの依頼で『ドンキーコング』の新作開発が始まり、2010年に発売された『ドンキーコング リターンズ』も大ヒットを記録しました。

フェーズ3: 新たなプロジェクトへの道

その後もレトロスタジオは注目を集め続けました。2011年のGame Developers Conferenceでは、任天堂のスタッフから『ドンキーコング リターンズ』の完成度が高く評価され、「一皮剥けた」との称賛を受けました。2013年からは、Wii U向けプロジェクトに取り組むこととなり、任天堂との関係は一層強固なものとなりました。

2019年には、任天堂が新作『メトロイドプライム4 ビヨンド』の開発をレトロスタジオに委託すると発表しました。2020年11月、開発規模を強化するための投資が行われ、新オフィスの建設も進められています。このように、レトロスタジオは新たな挑戦を続けており、今後の展開にますます期待が寄せられています。彼らの手腕がどのように発展するか、楽しみが尽きないところです。

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