レバノン (映画)

映画『レバノン』について

『レバノン』（原題: לבנון‎, 英題: Lebanon）は、2009年に製作されたイスラエル、フランス、ドイツの合作映画です。監督はサミュエル・マオズが務め、自身の兵役経験に基づいた、1982年のレバノン侵攻を舞台にしています。この作品は、第66回ヴェネツィア国際映画祭で最高賞である金獅子賞を受賞し、国際的に高い評価を受けました。

概要

この映画は、戦争の恐怖を、戦車という閉鎖空間に閉じ込められた若い兵士たちの視点から描いています。観客は、戦車内の狭い空間で繰り広げられる人間関係や心理的な葛藤を通して、戦争の残酷さや不条理さを体験します。特筆すべきはその演出方法で、映画のほとんど全編が戦車内部で展開され、外の様子は戦車のスコープを通してのみ描写されます。これにより、観客は戦車兵と同じように、限られた情報の中で戦争の現実を理解しようとする体験を共有することになります。映画のラストシーンで初めて戦車全体が映し出される演出は、それまで観客が感じてきた閉塞感をさらに強める効果をもたらしています。

ストーリー

物語は、1982年のレバノン侵攻に参加したイスラエル国防軍の若い戦車兵4人に焦点を当てています。彼らは戦車という狭い空間に閉じ込められ、外部の状況がほとんど分からないまま戦闘に参加します。戦車内部での人間関係は極限状態に置かれ、恐怖、不安、混乱が錯綜します。彼らは、戦争の全貌も分からないまま、目の前の戦闘に巻き込まれていきます。映画は、戦争の狂気や不条理さを、戦車内部という閉鎖された空間を舞台に、兵士たちの心理状態を通して鮮烈に描き出しています。

参考文献

毎日jp, ベネチア国際映画祭：金獅子賞に「レバノン」, (2009), オリジナルの2013年5月1日時点におけるアーカイブ。, https://archive.is/20130501134236/http://mainichi.jp/feature/art/
asahi.com, ベネチア映画祭　豊かさと幅広さ強調, (2009), https://www.asahi.com/showbiz/movie/TKY200909150149.html
ロイター, ベネチア国際映画祭、金獅子賞は「レバノン」, (2009), https://jp.reuters.com/article/entertainmentNews/idJPJAPAN-11473820090913

外部リンク

レバノン - allcinema
レバノン - KINENOTE
Lebanon - オールムービー（英語）
* Lebanon - IMDb（英語）

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