レパルスベイ

レパルスベイ（淺水灣）は、香港島の南部に位置する美しい海湾です。その名の通り、比較的浅い水深の湾であり、弓状に広がる砂浜が特徴的です。ハリウッド映画「慕情」の舞台となったことでも知られ、多くの観光客が訪れる人気のスポットとなっています。

地名の由来

レパルスベイの中国名である「浅水湾」は、その水深が浅いことに由来しています。一方、英文名の「Repulse Bay」は、1840年代にこの湾に停泊したイギリス海軍の軍艦「レパルス」にちなんで名付けられました。また、日本占領時代には「緑之浜（緑ヶ浜）」と改名された歴史もあります。

発展の歴史

1918年、香港大酒店有限公司がレパルスベイに別荘式のホテルを開業したことが、この地が海浜リゾートとして発展するきっかけとなりました。その後、香港政府も海水浴場として整備を進め、砂浜を拡張したり、更衣室を建設するなど、環境整備に力を入れました。

1920年には、英国様式の建築が特徴的なレパルスベイホテルが完成。セントラルとの間にバス路線が開通し、海水浴客を誘致しました。太平洋戦争中には、香港の戦いの重要な防衛拠点ともなりました。

現在、レパルスベイは康楽及文化事務署によって管理され、海水浴シーズンには更衣室やシャワー施設が設置されます。ライフセーバーも配置され、安全に海水浴を楽しめる環境が整っています。また、ビーチバレー場やファーストフード店、海の家なども充実しており、多くの人々で賑わいます。

レパルスベイの砂浜は、大部分が人工砂浜です。以前は水質が課題でしたが、1989年以降、大腸菌指数が大幅に改善され、現在では環境保護署によって「良好」と評価されています。これにより、安心して海水浴を楽しめるようになりました。

1982年には、旧レパルスベイホテルが「The Repulse Bay（影灣園）」として再建されました。古建築の趣を残しつつ、新たな施設として生まれ変わっています。また、海水浴場の東端には、1970年代中期に鎮海楼公園が建設され、中国の古典的な色彩が強い天后娘娘（媽祖）と観音像が建立されています。

景観

レパルスベイは、美しい砂浜と穏やかな海が広がるリゾート地としての魅力はもちろん、歴史的な背景と文化的な要素も持ち合わせています。高級住宅街と美しい自然が調和した景観は、訪れる人々を魅了し続けています。特に、夕暮れ時には、海に沈む夕日が砂浜をオレンジ色に染め、息を呑むような美しさを見せてくれます。

かつてはイギリス軍の軍事拠点であり、日本占領時代には別の名前で呼ばれていたこの場所は、長い年月を経て、現在は香港を代表するリゾート地として、国内外から多くの人々が訪れる場所となりました。レパルスベイは、美しい景観だけでなく、歴史と文化を感じられる場所としても、多くの人々に愛されています。

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