レフティ・グローブ

ロバート・モーゼス・グローブの業績と生涯

ロバート・モーゼス・グローブ（1900年3月6日 - 1975年5月22日）は、アメリカのプロ野球界において名を馳せた左投げの投手で、特にその速球から「スモークボール」と称されるボールを投げることで知られています。彼はメジャーリーグでのキャリアを通じて、史上最多となる9回の最優秀防御率を獲得し、300勝の大台に乗るなど、野球史における左腕の偉大な投手として名を刻んでいます。

キャリアの始まり

グローブは1920年、マイナーリーグのボルチモア球団に入団し、そこで5年間プレーしました。この間に彼は112勝を上げる驚異的な成績を残し、毎年最多奪三振のタイトルを獲得するまでに成長します。メジャーリーグからのオファーも数多く受けましたが、チームのオーナーによる放出拒否が続きました。1925年、フィラデルフィア・アスレチックスが当時としては異例の高額な移籍金を支払い、グローブを迎え入れることが決まりました。

メジャーリーグデビュー

彼のメジャーデビューは1925年4月で、最初のシーズンは怪我も影響し、10勝12敗という成績でしたが、リーグ最多の116奪三振を記録しました。デビューからわずか2年目には最優秀防御率を達成し、1928年には初の最多勝利を飾ります。その後も彼は7年連続で最多奪三振を獲得するなど、圧倒的な実力を示しました。

特に1930年と1931年には投手三冠に輝くなど、アスレチックスのリーグ3連覇に貢献しました。この時期、彼の活躍はチーム全体の強さにも支えられました。グローブ自身は「良い成績を持つためには、健康管理と優れた守備のチームメイトが重要だ」と語り、その実体験に裏打ちされた考え方を示しています。

日本への影響

1931年には日米野球に参戦し、日本での名場面も生まれました。阪神タイガースの初代主将である松木謙治郎は、グローブとの対戦を振り返り、彼の速球に圧倒されたエピソードを明かしています。この試合では「グローブ君、投げました。あっ、球が速くて見えません！」という名言も生まれました。

後期のキャリアと引退

1934年、財政的理由でボストン・レッドソックスにトレードされますが、再び怪我に悩まされました。それでもグローブは1935年には20勝を記録し、最優秀防御率もマークします。彼の快進撃はアスレチックス時代の5度に加え、レッドソックス時代にも続き、トータルで9度の最優秀防御率タイトルを手にしました。

1941年には41歳で現役を引退し、1947年には記者投票でアメリカ野球殿堂入りを果たします。彼は1975年にオハイオ州で他界しましたが、その業績は今でも多くの野球ファンに語り継がれています。

成績とタイトル

グローブは通算619試合に出場し、投手としての数々のタイトルも獲得しました。彼の記録には、最多勝が4回（1928年、1930年、1931年、1933年）、最優秀防御率が9回、最多奪三振が7回、最多セーブが1回（1930年）という輝かしい業績が並びます。また、オールスターゲームには6回出場し、1999年にはメジャーリーグベースボール・オールセンチュリー・チームに選出されました。

その輝かしい記録と影響力から、グローブは今なお「史上最高の左投手」としてクラシックな存在感を持っています。

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