レポロテビタ

レポロ・テビタ

レポロ・テビタ（Lepolo Tevita）氏は、1987年10月15日にニュージーランドの都市オークランドで生を受けた、日本のラグビーユニオン界で活動した元選手です。そのキャリアにおいて、主にウィング（WTB）とセンター（CTB）という、チームの得点源となるポジションでプレーしました。身長185cm、体重110kgという、現代ラグビーにおいても非常に恵まれたサイズを持ち、特にコンタクトプレーやボールキャリアとしての強みを発揮しました。「Dee」や「Jack」といった愛称で、チーム内外の人々から親しまれた人物です。

彼のラグビーキャリアは、ニュージーランドの名門ウェスリーカレッジで基礎を築いた後、日本の高等教育機関へと移ることから本格化しました。2006年にウェスリーカレッジを卒業したテビタ氏は、日本の山梨学院大学に進学することを決めます。この選択は、彼にとって異文化での挑戦であり、同時に日本のラグビー環境で自身の才能を開花させる重要な転機となりました。山梨学院大学での4年間は、学業とラグビーに打ち込み、選手としてのスキル、特に日本のチーム戦術への適応力を磨く貴重な時間でした。学生時代には、若手有望株としてU21日本代表に選出されるなど、国内外からそのポテンシャルが注目されていました。

大学卒業後の2010年、テビタ氏は実業団チームである三菱重工相模原ダイナボアーズへ加入しました。このチームは当時、日本のトップリーグに次ぐカテゴリーであったトップイーストリーグに所属しており、国内のラグビー界で確固たる地位を築いていました。加入後、彼はすぐにチームに溶け込み、その力強いプレーで存在感を示し始めます。彼の社会人選手としての公式戦デビューは、加入した年の2010年9月19日に行われたトップイーストリーグの秋田ノーザンブレッツ戦でした。この試合に途中出場したことが、彼の日本ラグビーにおけるプロフェッショナルキャリアの始まりとなりました。

三菱重工相模原ダイナボアーズでは、テビタ氏はウィングやセンターとして、約11シーズンにわたりチームの主力選手として活躍しました。彼の持ち味であるフィジカルの強さと突破力は、相手ディフェンスにとって常に脅威であり、数々のトライや決定的なプレーを生み出しました。所属期間中、チームはトップリーグ、そして現在のリーグワンへと日本のラグビーリーグ構造が変遷していく中で、常に上位カテゴリーへの昇格や残留を目指す戦いを繰り広げており、テビタ氏はその闘いの中で欠かせない戦力でした。彼の献身的なプレーとリーダーシップは、チームメイトからの信頼も厚いものでした。

クラブでの活動に加え、レポロ・テビタ氏は様々なレベルの日本代表としてもプレー経験を持ちます。前述のU21日本代表に加え、社会人になってからも、地域選抜である関東代表や、フル代表候補選手で構成される日本A代表に選出されました。これらの代表歴は、彼が長年にわたり日本のラグビー界におけるトップレベルの選手の一人として認識されていたことの証明です。特に日本A代表でのプレーは、将来的なフル代表入りを目指す選手たちと共に、より高いレベルでの経験を積む貴重な機会となりました。

2021年、レポロ・テビタ氏は長年にわたり所属した三菱重工相模原ダイナボアーズを退団することを発表しました。この退団をもって、彼の約11年間にわたる日本のラグビー界での選手キャリアは一区切りを迎えました。山梨学院大学で培った基盤を元に、三菱重工相模模原ダイナボアーズで選手として円熟期を過ごし、日本のトップカテゴリーで長きにわたり活躍した彼の功績は、所属チームやファンにとって忘れられないものです。ニュージーランドから日本の地へ渡り、確かな足跡を残したレポロ・テビタ氏は、日本のラグビー史において記憶されるべき選手の一人と言えるでしょう。

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